白金系の貴金属、パラジウムが高値圏に位置している。自動車触媒としての需要が多く、世界の経済で好調を続ける米国の自動車販売による需要増加を見込んで買われている。
●パラジウム価格:週足チャート:EVOCX
1トロイオンス:784ドル、2015年5月12日
ただ、週足チャートで見た場合、急激に価格上昇というより、以前からのレンジ相場を維持している形。
パラジウムの変動要因
1.オートデータが5月1日に発表した4月の米国新車販売台数(速報値)は、前年同月比4.6%増の145万4,951台。自動車産業ポータル
パラジウムは、自動車の排ガスを浄化する触媒に使われるため、米国の自動車販売が好調だと買われて価格は上昇。
2.パラジウムの生産国ロシアの通貨「ルーブル」が上昇傾向。ロシアの生産減速懸念。
3.中国の新車販売台数は鈍化。中国汽車工業協会が公表した4月の中国新車販売は0.5%減の199万台。自動車産業ポータル
白金や金価格と違い、宝飾品需要がほとんどないパラジムは世界景気の動向に価格が左右される。
白金の国際価格は下落傾向
同じく、排ガス触媒にも使われる白金は、ディーゼル車に多く使われる。ディーゼル車の中心市場は欧州のため、欧州景気不安から冴えない動き。
南アフリカの鉱山会社ではリストラの動きが出ている。
- アングロ・アメリカン:470人の人員削減
- ロンミン:3500人規模の人員削減
- インパラ・プラチナム:設備投資を縮小。白金価格が20%以上は上がらないと採算割れ
●白金価格:週足チャート:EVOCX
1トロイオンス:1147.9ドル、2015年5月12日