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  1. ファンダメンタル及び中銀
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安保理での国連制裁決議が穏やかで対決姿勢が弱まる:2017年9月18日週の見通し

北朝鮮は、ミサイル発射&核開発を続けていますが、金融市場の反応は弱まりました。9月11日に国連安保理が決定した北朝鮮制裁決議案は、決定的なものではなく、一触即発の危機を開始した内容です。そのため、全般的にリスク回避の流れは弱まって金価格もやや下落。東京金価格は、米ドル/円が円安に動いたこともあり、上昇を維持。

また、米国政治は、ハリケーンの影響もあり、米政府の債務上限を12月8日まで先送りにする法案が成立して、デフォルト危機を回避しています。

◆金融市場の動き:2017年9月16日 GMOクリック証券のCFD

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英中銀は、9月14日の金融政策委員会で、政策金利を0.25%に据え置き。ただ、このままの状態が続けば、数か月以内に利上げを実施するとの見解。そのため、英ポンド高が進み、英国株式は下落。

貴金属は、リスク回避の戻りなどでやや下落。

国連安保理の北朝鮮制裁決議

当初は、原油の全面禁止を求めるとの米国の意向があったものの、穏やかな内容で採決。そのため、武力衝突の危機が回避されたとして金価格は下落。

  • 北朝鮮への石油製品の販売上限は年200万バレル
  • 原油は現状維持
  • 繊維製品を前面禁輸
  • 北朝鮮労働者の受け入れを原則禁止
  • 公海上で、決議違反の物資を運んでいる船舶の臨検

この落としどころはどうなるのでしょうか。

北朝鮮側が核開発を放棄する可能性は非常に低い。核を持たない状態での交渉が不利に働くことをリビア・イラクの政権崩壊過程で確信しているはず。

一方、米国側もあからさまに核保有に突き進まれるとイランをはじめとした核保有を目指している国々の事も考えると避けたいところ。現状、空爆だけで核開発を止められるとも思えません。経済制裁が効果を上げた場合、北朝鮮が政権崩壊前に暴発するリスクもあって、落としどころをどうするかはさっぱり分かりません。

北朝鮮が核保有&攻撃能力を保有した後に、中国・ロシア・米国の監視の元で政権維持を約束するという形だと、当面の平和維持できますが・・・将来に禍根を残します。

米国の金融政策

いよいよ9月19・20日に開催されるFOMCで、バランスシート縮小決定に動くことが予想されています。なお、年内後一回の利上げは、ハリケーンの影響などもあり、後ずれする可能性が濃厚。イエレン議長が再任されるかどうかを含めて市場を悩ませるでしょう。

バランスシート縮小自体は、ドル高要因で、すなわち金価格の下落が見込まれます。ただし、長期的な見通しにおいては、米ドル安を見込む向きも多く、為替相場のゆくえは予断を許しません。

ECB(欧州中銀)は、2018年からの量的緩和縮小を行うでしょうし、各国の金融政策が動き出しそうです。

◆NY金価格の日足チャート 2017年9月16日 EVOCX

NY金価格の動き

NY金価格は、2017年9月8日の1362.4ドルを高値に下落。

◆東京金価格の日足チャート

東京金価格のチャート

東京金価格は4700円を超えて上昇中。

ビットコインについて

JPモルガンのダイモンCEOのビットコインは詐欺発言をきっかけに下落した仮想通貨。

中国の金融当局は、仮想通貨の取引に規制を打ち出しました。そのため、中国の大手取引所は、9月末で仮想通貨の取引を停止。

中国証券監督管理委員会は2017年9月4日に、仮想通貨に関して規制を強化するとの通達を発していました。通達の中でビットコインなどの仮想通貨の売買を仲介する取引所に対しては、仮想通貨の取引につきまとうマネーロンダリングや違法な海外送金などを中国政府が問題視していることが示唆されていました。株式公開によって資金調達をするIPOのように、独自の新規仮想通貨を発行して資金を調達する「ICO(Initial Coin Offering)」については、中央銀行の中国人民銀行が、「金融秩序を著しく乱す」として即日禁止にする緊急措置を採っており、中国政府による仮想通貨の規制が強化されるとの予想が市場関係者の間で広がっていました。仮想通貨の規制

政府の通貨発行権に対する挑戦でもありますし、今後も仮想通貨との争いは続いていくでしょう。

なお、ビットコインはじめ仮想通貨への規制は、基本的に金価格にプラス要因になりやすい。

白金価格の下落

欧州に続き、中国もガソリン・ディーゼル車から電気自動車へと変化を促す方針。

また、日清紡は、9月12日に白金を使わず安い炭素を使った燃料電池用触媒の実用化に成功したと発表。カナダのバラード社は、2017年12月に発売をスタートする予定で、白金価格の下落を招いています。

■来週の注目スケジュール
9月18日(月):敬老の日、中不動産価格指数、ユーロ圏消費者物価指数改定値など
9月19日(火):基準地価、独ZEW期待調査、米住宅着工件数、米FOMCなど
9月20日(水):貿易収支、訪日外国人客数、日銀会合、FRB議長会見など
9月21日(木):日銀総裁会見、東京ゲームショウ、米景気先行指数など
9月22日(金):独製造業PMI、米製造業PMIなど
9月23日(土):NAFTA再交渉の第3回協議など
9月24日(日):独連邦議会選挙など

フィスコ

来週は、FOMCに注目。引き続き北朝鮮リスクの突発的な高まりに注意したい。両方とも金相場に大きな影響を与える材料です。

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