世界的な需要不足の元で、弱さの目立っていた国際的な商品市場。その商品市場が上昇しており、長期の上昇トレンド=ビッグラリー入りの可能性を指摘する専門家が増加。原油や金属市場は上昇しており、金価格も高値安定。
ロイターのCRB指数は、2015年以来の高値を付けています。
CNBCでは、フィデッサのコモディティ専門家のマイク・ウィルキンズ氏が、長期的な成長の可能性を指摘。CFRAのLindsey Bell氏は、金価格の上昇を予想。
商品市場のビッグラリー入りの可能性
いくつかの要因で、商品市場の長期トレンドが上昇へと動き兆しを見せています。
- 貿易戦争リスクと世界的な経済成長
- 地政学リスクと株式市場の不安定さ
- 景気サイクルの終りでのインフレ・金利上昇局面
実際、すでに、いくつもの商品市場は上昇中。
◆商品市場の価格:金・原油・大豆・天然ガス等
GMOクリック証券のCFD 2018年4月23日
上昇幅が大きいのは、原油。サウジアラビア・ロシアを主軸とした減産の影響で高値が続き、70ドルも近い。貿易戦争の懸念からアルミニウムやパラジウムなども高値を付けています。世界経済の回復(ゴルディロックス)から、銅価格はすでに大きく上昇。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのポール・シアーナ氏は、金と銀の相場は若く、石油や銅は、上昇トレンドにあり、商品市場は、長期的な景気サイクルに直面と指摘。FRBが金利を引き上げると商品市場は上昇しやすいと話しています。
Lindsey Bell氏は、通常、インフレと金価格は逆の関係。しかし、インフレ率が金利よりも上昇スピードが速く、国債の実質利回りがマイナスに転じると金相場は上昇すると指摘。
ジェフリー・ガンドラック氏景気サイクル終了局面でコモディティ価格の上昇を予想。
南米アルゼンチンでの乾燥による不作の大豆。これは、ここ数年の米国豊作などでカバーできる予定でした。しかし、米中の貿易戦争の影響で、動きに不透明感が増しています。
不安定な株式市場からマネーが商品市場に流入するか
米株式市場は、FRBの金利上昇やトランプ政権の減税&インフラ投資による先物買いの影響で、いずれ、下げる時期が来るでしょう。⇒景気サイクルの鈍化。
そうなると、株式市場からマネーが商品市場に流入する可能性があります。2018年もしくは2019年に米国景気は崩れるとモルガン・スタンレーは予想。
◆米ナスダック市場と金スポット価格 月足チャート
ITバブルの崩壊後に金価格は上昇。原油も1999年の11ドル台/1バレルの安値から100ドル超えへと長期上昇トレンド入り。
株式市場で動いているマネーの量は、商品市場を吹っ飛ばす勢いがあります。2018年~19年にかけて、リスク分散で商品市場にマネーが流れ込むと、ビッグラリー(長期上昇トレンド入り)が、本格化するかもしれません。
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