FRBのパウエル議長は、米中貿易交渉の頓挫やメキシコへの関税アップなど貿易戦争が進むなかで、利上げから利下げに方向転換するのではないかと予想されています。6月4日の講演では、適切に行動すると話しただけで、利上げと解釈されるなど金融市場は、利下げ催促に動いています。
米中貿易戦争で、FRBは利下げに方向転換? 防波堤になれるのか
金融市場のリスクオフは、続いており、株から債券へとマネーは移動。米国の金利は大幅に下がっています。そのため、リスクオフで買われる日本円や金価格などは、上昇。
米国が関税を武器に、中国に妥協を迫ると、中国側は、レアアースを切り札に出してきました。米国をはじめ、世界各国jは、中国のレアアースが使えないと困ります。それに対して、ロス商務長官は、前例のない措置を講じると反撃に出ました。
ウィルバー・ロス(Wilbur Ross)米商務長官は4日、米国はテクノロジー産業と軍にとって重要な戦略的鉱物やレアアース(希土類)の供給を確保するため、「前例のない措置を講じる」と表明した。インフォシーク
当サイトでは、米中貿易戦争は、長引く。なぜなら、トランプ大統領だけでなく米国民の多くが望んでいるからと指摘。日本が、ジャパンアズナンバーワンと驕りを見せた時と同じ状況だと思います。
ファーウェイショック以上に、メキシコへの関税は、金融市場に衝撃を与えました。メキシコ関税問題からリスクオフは急加速。金価格も1300ドルを突破。ほんとに、金の上昇はすごい!
●NY金スポットをはじめとした日足チャート:GMOクリック証券の日足 2019年6月5日
日米株価は大幅に下落。ゴールドは、4月から5月の1266~1300ドルのレン時を大幅に超えて上昇。スポット価格は、1335ドルを超えました。
FRBは、2019年に利下げに追い込まれるのか?
FRBの関係者からは、利下げ方向への発言が増加。景気悪化を防ぐための防波堤の役目を要求されています。
FRBのパウエル議長は4日の講演で、貿易戦争が及ぼす影響をFRBは「緊密に注視」しており、「適切に行動する」と述べた。一方、FRBの金利水準は適切であるとの発言や、金利変更には「忍耐強く」対処するとの言及はなかった。FRBのパウエル議長:ロイター
- パウエルFRB議長:適切に行動する
- セントルイス築連銀のブラード総裁;米利下げは、近く正当化される可能性がある
- FRBのクラリダ副議長:市場のプライシングを検討
FRB関係者の意向:ブラード氏は元々、ハト派の人物。
今夜22:55はパウエル議長の発言が予定されています。昨夜ブラード連銀総裁が利下げについて言及しましたが、パウエル議長もこれに追随するようだとドルは下値を掘りに行きます。ただ、ブラードさんはハト派の急先鋒です。FRBの総意ではない可能性も高いか。とにかくパウエルさんが何を語るか注目したい pic.twitter.com/J0kBAHsK5o
— 井口 喜雄 (@yoshi_igu) June 4, 2019
株価を重視するトランプ大統領は、FRBに利下げ圧力を掛けているはずでしね。
米7月利下げの確率が62.5%に上昇(6月7月連続利下げの確率11.6%も含む!!)する中で、今夜パウエルFRB議長が何を語るか。要注目です。シカゴ連銀主催の会議の議題は「金融政策の戦略・手段・コミュニケーション」 pic.twitter.com/tKmafwP8bW — 神田卓也 (@KandaTakuya) June 4, 2019
2019年7月の利下げ確率は、62.5%と非常に上昇しています。ここまで株価下落&債券買いが強まれば、本当に利下げするかもしれません。
金価格と利下げの関係
金価格を予想するにあたっては、利下げ=上昇要因。リスクオフ=上昇要因ということを意識しましょう。つまり、利下げは上昇要因なのですが、利下げによって、金融市場に安心感が広まるとリスクオンの売りもありえるということ。
金は、金利がつかないため、金利が上がると下がり、金利が下がると上がるというセオリー。
株の含み損が増えてきたが金価格が爆上げなので助かる。
ザ・分散投資👊— 資産減三(へるぞう) (@picori71) June 4, 2019
●NY金の週足 GMOクリック証券
1346.6ドルの高値を突破できるかどうか。1346~1370ドルにかけて抵抗線あり。直近の上昇は週足チャートで、大陽線を描きつつあり。逆らいたくはない。
今の金融市場、特に株価はFRBの支えなくして持ちません。いつのまにやら景気・株価を支えるFRBをはじめとした中央銀行という図式は定着してしまいました。防波堤の役割を果たせなければ、経済界から袋叩きに合います。その分、通貨の価値が薄くなり、金相場にマネーが流れ込むという形が続いています。
この記事へのコメントはありません。