金に関する調査会社、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の2019年第2四半期(4-6月)調査によると、中央銀行と金ETFの購入が多かったために、需要が大きく伸びています。
2019年第2四半期の金需要
2019年に入り、金価格が大きく伸びた原因は、金需要の増加でした。WGCの調査では、中央銀行と金ETFの需要が増えています。
各地で、地政学リスクが高まり、ポピュリズム政権が拡大しているため、リスク分散の意味で、投資家・中銀ともに金投資が価値を取り戻しつつあると言えるでしょう。
- 第2四半期の金需要:1,123トン(前年比8%増加)
- 中央銀行は、224.4トンの金を購入
- 金ETFは、67.2トン増加し2,548トンの在庫
- インドの金需要は、168.8トン
- バー及びコイン投資は,218.6トン(12%減少)
- 中国でのバー及びコイン投資が、前年比で29%減少
- 金の供給は、1,186.7トン
- 金鉱山生産は、過去最高の882.6トン
金の需要が、大きく伸びたのは、米中の貿易戦争による世界経済への不安・通貨安競争の激化などが、主な原因です。そして、金価格が、1400ドルを超えるレベルに上昇しているため、価格上昇による買いが出ています。
出典:WGC
2019年第に四半期に金需要が増えた理由をまとめると以下の通り。
- 米中貿易戦争による世界経済への不安
- 米国の利下げサイクル入り(まだ決定はしておらず)
- 通貨安競争の激化
- イラン情勢の悪化
- 各地での地政学リスク
世界経済の鈍化は、工業用途の金需要を減らしますが、リスク回避をニーズとした金投資を増やします。さらに、イランを巡る地域環境の悪化や日韓の対立など地政学リスクの高まりも金需要を増やし金価格を押し上げる材料。
このまま、米中の争いが激化していけば、中央銀行・金ETFなどの買いは増えていくと思います。
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