金相場は、少し下落トレンドに変化しています。チャート上も1,500ドルを割り込み、目先は下落トレンド化。大手銀行も、金価格の見通しをダウントレンドに変えています。
金相場の見通しが、下落へと変わったのは、株価上昇や長期金利の上昇により、金投資の魅力が落ちたため。
2019年秋の金相場は下落トレンド
●NY金スポットの日足チャート GMOクリック証券のCFD 2019年11月12日
1450ドルレベルで止まるかどうか。
NY金の週足チャートを見ると、38.2%の1400ドルが下値の目処。もしも、米金利が大幅に上昇していけば、その下の1350ドル前後が視野に入ります。
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大手銀行は、金に対して弱気へと変化。
2019年秋の金相場が下落した理由
2019年の春から米中貿易交渉が激化。その懸念が、このところ薄れています。米国のトランプ大統領も中国側からの報道でも、関税撤廃に向けて動いているとの話。12月に第一段階合意との見通しが出ています。そうなると、金相場を牽引していた不安がなくなり、株式市場に資金が流れるという動き。
米中貿易交渉の進展
米株価が高値更新
国債利回りの上昇で、金投資の魅力が薄れた
これまで、安全資産として買われていた資産の米10年債や金が売られています。
1,500ドル前後は、リサイクルによる売りも増えた金相場。大黒屋や田中貴金属によると、金を保有している個人からの売りが増加しているとのこと。
1400ドル台では、中国やインドの金買いが増える可能性が指摘されています。豊島逸夫氏は、1400ドル台での現物買いが増えると予想。
これまでの高値慎重姿勢から買い下がり姿勢に転じる。1400~1450のレンジでは中国・インドの本格現物買いが久しぶりに見られよう。これまで高値圏で買い控えてきたので潜在的買い余地は大きい。1400ドルという価格水準は本来彼らから見れば「高い」のだが、1560ドルまで上がったことを思えば相対的な買いの値ごろ感は出てくる。NY金が急落
金融アナリストの久保田博幸氏は、日米欧の長期金利上昇について、ファンダメンタルズ以上に低下していたと指摘。米中通商協議の進展で、それが是正された。
ECBや日銀への過度な金融緩和策への期待が背景にあった。FRBの利下げ観測も当然ながら後押しをしていた。たしかにECBは無理矢理ながら包括緩和を行い、FRBも市場の期待通りに利下げを行った。しかし、これによってむしろ金融緩和の打ち止め感が強まった。日本にいたっては無理な追加緩和はしなくても良いとの認識も強まりつつある。このため、ECBやFRBが追加緩和を行って日銀が動かずとも、市場はそれを悲観するような動きとはならなかった。ドル円もまったく日銀の金融政策は無視した格好となっている。無視というか材料としている比重が急速に薄れていたといえる。日米欧の国債価格が急落
久保田氏は、日本の10年債利回りをゼロ%。米10年債を2%前後が意識されるのではと予想。
●GOLD価格・米10年債・日本10年債の利回り比較 GMOクリック証券
米金利の大幅上昇に伴い、金相場が下落。
下落したことにより、実需の買いがどれだけ回復するかが、今後の値動きに影響します。
金価格。株価の反発により昨日安値に迫る。このポイントは年初来高値安値の38.2%戻しレベル&25週MAとテクニカル的には非常に重要なポイントに差し掛かっている。実需は売り。投機筋は買っている。この乖離が値動きと共にどの様に動くのか非常に興味深い #金価格 #CFD pic.twitter.com/WAL2LQhOvf
— Rev Trading Official Account (@RevTrading) November 12, 2019
2019年1~9月の中国での金消費量は、前年同期比9.6%減の768.31トン。景気の下振れ圧力や金価格の上昇などが原因で消費量が落ち込んだと専門家の分析。中国では2018年12月より10カ月連続で金準備を増やしており、今年9月末時点の金準備量は1,978.32トンで、世界第7位。 #中国
— China Tips by myokoi (@myokoi1962) November 12, 2019
香港のデモ激化は、一応、上昇要因。
香港デモ激化 金価格にも影響か?
→https://t.co/X5huA8lg04【記事の概要】
金価格は小幅な値動きとなっています。先行きへの期待と警戒が入り混じり、材料待ちとなっているようです。#金 #先物— さくらインベスト (@Sakura_Invest) November 12, 2019
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