米国は、イラクのバグダッドの空港において、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害。(2020年1月3日)
コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官は、大統領候補とも目されていたイランの超大物。彼が殺害されたため、イラン側は、報復を示唆しており、米国とイランは、緊張状態。戦争状態に入ったとも言われており、金先物・原油先物とも急上昇。2020年始まったばかりながら、地政学リスクが高まっています。
イランのコッズ部隊:ソレイマニ司令官の殺害で地政学リスク高まる
イラン側は、米国とイスラエルに責任があると非難。ソレイマニ司令官と民兵組織幹部のアブ・マハディ・アル・ムハンディス氏の両名が死亡したことを認める声明を出しています。
声明で「大統領の指示により、米軍は海外に駐留する米職員を守るため、ソレイマニ司令官を殺害することで断固とした防衛措置を講じた」と表明。イランによる将来の攻撃計画を抑止することが狙いと説明した。ロイター:ソレイマニ司令官
ソレイマニ司令官は、1957年3月11日生まれで、カセムハッジ・影の司令官とのあだ名を持つ有力な軍人。
ソレイマーニーは2000年、イスラム革命防衛隊の特殊作戦部隊であるゴドス部隊(「エルサレム旅団」)司令官に任命された。2007年、イスラム革命防衛隊のヤヒヤー・ラヒーム・サファヴィー司令官が退任する際、ソレイマーニーは後継司令官の有力候補の一人とされた。ソレイマニ司令官のソレイマニ氏のwiki
戦争リスクで、金価格と原油や日本円が上昇
金及び原油のスポットはリスクオフで上昇
●GMOクリック証券のCFD:日足チャート:2020年1月3日 21:42
金価格は、1550ドル近辺まで急上昇。原油は、63ドルを突破。株価は、全体的にリスクオフで下落。
2020年の金相場における重要な要素。中東での地政学リスクがいきなり炸裂した格好。
イラン側は、ガセム・ソレイマニ司令官が殺害されて、何もしないわけはありません。中東及び米国内でのテロリスクは高まります。イラン側がどういった報復手段を取るかわかりませんが、しばらく地政学リスクは高止まりするでしょう。
安全を確保するためのコストは、大きくなります。国力に大きな差があるとはいえ、自暴自棄で仕掛けるテロほど、怖いものはありません。
今回のソレイマニ司令官殺害は、ドナルド・トランプ大統領の指示のもとに、行われていますから、米国側も相応の覚悟と準備をしているはず。今後の泥沼化は嫌ですね。
U.S. Strike Kills One of Iran’s Most Powerful Military Leaders
マイケル・ハーシュ氏による記事では、ソレイマニ司令官の死で、直接的な緊張状態(戦闘)に陥る可能性があるという見方を紹介しています。同時に、イラン側は、強力な軍事リーダーを失ったため、イランの戦略に大きな打撃を与えるとの見方があることも示しています。
ソレイマニ司令官殺害に対するツイッターの反応
ツイッターでの反応。特に、金融市場に関連した内容をまとめました。
原油先物が約3ドルの急伸、米軍のイラン司令官殺害で供給懸念 https://t.co/XeL5e16WKy
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) January 3, 2020
イラクでイランのソレイマニ司令官の車列を米軍が空爆殺害した事件を受けて、リスクオフ、安全資産としてゴールドと円が買われています。ゴールドは現在1543ドル昨年の高値まであと20ドルというところまで来てます。ドル円は108円を割り込んでいます。 pic.twitter.com/lsdJRnid2b
— Bruce Ikemizu (@BruceIkeGold) January 3, 2020
前日のNYは新年早々に史上最高値を更新しダウは上げ幅300ドル超の28868ドル(+1.16%)上昇しクローズ
日経にドル円は地政学リスクで急落
トランプ大統領の指示でイラン精鋭部隊司令官を殺害などの報道でリスクオフに
ヨーロッパもリスクオフでDAXは-1.8%の急落— GT Japan (@zithi_japan) January 3, 2020
バグダッドで米軍のドローンによってイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が殺害された事件は、アメリカでも大きく報道されている。「重大なエスカレーションで戦争の引き金だ」というのが一致した見解だ。イランとの戦争はほぼ不可避で、イラン各地に米軍が先制攻撃を仕掛ける可能性が高まっている。
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) January 3, 2020
アメリカの攻撃の意味が分からない日本が多いと思いますが、簡単に言いますとアメリカは実質上イランと戦争状態になりました。イラク戦争以来の大型軍事事件です。
— エミン ユルマズ (JACK) (@yurumazu) January 3, 2020
少し古い動画ですが、トランプ政権がサウジと肩を組んでイランと対立する背景を解説しています。2018年5月に米国がイランの核合意から離脱した時の話です。ご参考までに。 pic.twitter.com/5FLmsW56a0
— エミン ユルマズ (JACK) (@yurumazu) January 3, 2020
BBCニュース -イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後 https://t.co/JmDW5Jahpc
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) January 3, 2020
私はトランプのこのイラン革命防衛隊司令官殺害はトランプの選挙運動の一環だと思っている。トランプは国内では弾劾決議を受けており、起死回生の策としてイランとの戦争も考慮しているだろうが、イランはトランプの挑発に乗らないことだ。トランプは戦争を望んでいる。https://t.co/fCG2UNKcZJ
— Holmes#世論の理性 (@Holms6) January 3, 2020
イラクで米軍を狙った攻撃アメリカ人1人死亡
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アメリカがイランから武器支援を受けてる過激派を空爆
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その過激派がイラクのアメリカ大使館襲撃
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アメリカがイラクの国際空港近くでイランの軍事組織と革命防衛隊司令官2人が乗る車列を空爆し殺害戦争になるのか? pic.twitter.com/AAOnRGjKSf
— R (@since93mthrfckr) January 3, 2020
【英雄視の司令官殺害で緊張感】https://t.co/rwSxkYtcmX
イラクの首都バグダッドの国際空港で3日、米軍による空爆でイランの精鋭部隊・革命防衛隊の司令官らが殺害された。司令官はイラン国内で英雄視される存在で、米国とイランの緊張関係がいっそう高まるのは必至。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 3, 2020
米軍が無人機でバグダッド国際空港近辺の道路「ルート・アイリッシュ」を走行中のPMU車両2台を空爆、イラン麾下準軍事組織カタイブ・ヒズボラのアブ・マフディ・アル=ムハンディス司令官とイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を殺害。
— deepthroat (@gloomynews) January 3, 2020
米国側の言い分では、イラン側の攻撃を未然に防ぐとの意味合いであると。いずれにせよ、米国対イランの対立は、核開発に関する疑惑を超えて、直接的な攻撃レベルにまで、発展しました。しばらくは、地政学リスクの拡大と金価格の上昇につながる可能性があります。
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