WTI原油価格が、需要の急減で受け渡しの関係で、史上初のマイナス価格になりました。そのため、原油価格に連動する上場投資証券(ETN)は、大変なことになっています。なんと、クレディ・スイスの原油ETNの参考価格が、ゼロ以下になるという事態。それによって、保有者の資産もゼロになるということになりました。
原油ETNの価値がゼロに!
これ、ETF業界全体にあるリスクを浮き彫りにしました。金投資においても、ペーパーゴールドETFに対する懸念点として指摘されます。最近では、ジェフリー・ガンドラック氏が指摘していましたね。
そして、今回の原油ETFで怖いのは、同じETNのベロシティーシェアーズ・デーリー・3x・インバースも無価値になったこと。これ、原油価格の下落で利益を得られる方とブルームバーグが報道しています。原油価格が下落したのに、利益を得られなかったということでしょうか。ベロシティーのサイトでは、4月2日に価値がゼロになったとリリースしていますね。
クレディ・スイスによると、原油ETN「ベロシティーシェアーズ・デーリー・3x・ロングは21日の参考価格がゼロ以下となった「保有者はいかなる支払いも受けられない」と説明した。今月初めには原油の下落に賭けるETN「ベロシティーシェアーズ・デーリー・3x・インバース」が無価値になった pic.twitter.com/VvoFajYilq
— inter (@inter_stock) April 23, 2020
この状態で、原油ETFに殺到は、怖さしかありません。確かに、大儲けできるチャンスかもしれませんが、相場の格言。落ちるナイフを掴むなになりかねない局面だと思います、。
個人投資家が米最大の原油ETFに殺到-歴史的価格急落で https://t.co/czqQTrkdYr
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) April 23, 2020
石油関係者は(これはタイヘンなことになったぞ。原油を保管するコストを考えると、原油の価値はゼロ…いや、むしろ「負の価値」だろ)と思っている。
ところがETFを買っている個人投資家は(これで…俺はイッパツ人生を逆転するぞ!)と勢い込んでいる。
両者の間に…大きな乖離が発生してる— じっちゃま (@hirosetakao) April 22, 2020
特に運用会社が恐れているシナリオは、5月物WTI原油がそうなったように、6月物WTI原油も、いずれマイナス価格になってしまうかも?という点です。その場合、運用会社は莫大な債務を負います→なぜなら先物価格は「マイナス」はOKだけど株価には「マイナス」はありえないから。
— じっちゃま (@hirosetakao) April 22, 2020
巨大化したETFに対するリスクを指摘する向きも。原油関係の市場は、まだまだ乱高下する可能性があります。
さらに、ゴールドでも、SPDRゴールドシェアなどの巨大なETFが、金相場や価格に与える影響を無視できません。
さて、廃業する場合ですが、いま先物市場の取引の3割くらいがETFなので、ETFが解散するとなればポジションを処分しないといけません。つまりETFは「池の中のクジラ」のような大きな存在になりすぎた。
石油関係者は、この「巻き戻し」を恐れています。
— じっちゃま (@hirosetakao) April 22, 2020
4月21日、CMEの最終日データでは、当日に77076口の5月限月のWTI原油先物決済があった。決済額はマイナス37ドル、買い方欠損4810億円で、大部分が中国の中国銀行BOC発行のある金融商品による。中国の個人投資家は元金を全部すっただけでなく、巨額の負債までしょいこんだ。#楊暁帆の中国投資情報 pic.twitter.com/vSQuN2vQsj
— ファンドマネージャー 楊暁帆 (@YouGyouhan) April 23, 2020
住商高井さんから。これが今回のWTI5月限マイナス37ドル納会の背景。
「3月の急落以降原油ETFへの資金流入が半端ない(3億ドル超)。大半が原油ETFの乗換リスクを知らない投資家からのバーゲンハンティングの様です。10万枚近いOIを1日で投げたら水面下30ドルになっても不思議じゃありません。」— Bruce Ikemizu (@BruceIkeGold) April 20, 2020
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