オーストラリアは、来年2021年に、中国を抜いて、世界最大の金生産国になります。The Daily Reckoning Australiaの編集長、SHAE RUSSELL 氏が、分析しています。SBMAの記事からご紹介します。
2007年以来トップだった中国は、今後10年の間に、ロシアに追い抜かれて、3位になるとの予想。
産金国世界一の座にオーストラリアが就く
あの中国を抜いて、産金国世界一の座に、オーストラリアが就くとはすごいこと。とはいえ、オーストリアはたまたま一位になるわけではありません。
2010-11年の米ドルとのパリティは、金鉱にとって不利な条件になりました。そのため、オーストラリアの金鉱山は、予算削減だけでなく、少ないコストで多くの金を生産する合理化を行っています。
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2011年頃に、豪ドル/米ドルが、豪ドル高によるパリティをキープした時、オーストラリアの金鉱山会社は、苦労して、合理化に成功。その後の豪ドル安を追い風に、金の生産量を増やしていったということですね。
オーストリアの金埋蔵と産金
オーストラリアは、すべての州で、活発に、金鉱を採掘しています。
オーストラリアの金埋蔵量は、ロシアや南アフリカよりも多い。すでに知られている金鉱床は、米国とカナダの埋蔵量をあわせたよりもさらに大きい。
オーストラリアのポテンシャルは、非常に高いことがわかりますね。
西オーストラリア州は、経済的に実証された資源(EDR)の約43%を有しており、産金量は、国全体の70%を占めています。
豊富なオーストラリアの金鉱山
最大の金鉱山は、ニューサウスウェールズ州のカディア鉱山。ニュークレスト・マイニングが運営するこの鉱山は、2019年に、871,216オンス(約28トン)の金を生産。さらに、2023年までに、1,125,000オンス(35トン)に、引き上げようとしています。
フォスタービル鉱山は、ビクトリア州最大の金生産を行い、2019年には、619,363オンスを生産。フォスタービルは、オーストラリア最初のゴールドラッシュが起きた場所で、1トンあたり平均39.6gという高品位の鉱山。
金の生産に関するオーストラリアのポテンシャルは、大きいですね。人口も少ないため、金鉱山採掘に伴う住環境の悪化という副作用も小さく、さらに、生産量を増やそうとしています。
金価格が、上昇しすればするほど、金の探査にかける投資額は上がります。今、見つけた鉱山が採算に乗るには、10年の時間がかかりますからね。豪ドル安が、豪ドル建て金価格を押し上げて、金探査にかけるインセンティブを生み出しました。
一応、金を生産するために、必要なインセンティブを生み出すために、必要な金価格は、1,500ドル前後と言われています。
現在の金先物価格は、1,700ドルと採算ラインを超えており、金投資をしやすい環境にあります。
しかし、世界各地で、新たな金鉱山は、発見しにくくなっています。オーストラリアで最後に発見されたジャックポットは、2005年のトロピカーナ鉱山。なんと、15年前のことです。
当然、浅いところ・見つけやすいところの金鉱山は、すでに枯渇しており、深いところから金を掘り出さなければいけませんからね。それでも、オーストラリアは、地表から、鉱床までの深さは浅い方。
金価格の上昇により、きちんとした調査と投資が行われることに期待ですね。
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