海外の大手銀行は、コロナウイルスによる先行き不安と通貨安から、金相場の上昇トレンド継続を予想しています。ゴールドマン・サックスは、1年後の見通しを2000ドルに引き上げ。UBSは、年末までに、1,800~2000ドルを予想。
●金先物の日足チャート 2020年6月22日
1700~1800ドルのレンジ相場が続く。RSIの数値は、下落から上昇へとトレンド変化。
ゴールドマン・サックスの2020年、金価格予想
2020年6月19日に、予想を情報修正したゴールドマン・サックス
- 3ヶ月見通し:1600⇒1800ドル
- 6ヶ月見通し:1650⇒1900ドル
- 12ヶ月見通し:1800⇒2000ドル
ついに、ゴールドマン・サックスですら、2000ドル予想をだしました。バンク・オブ・アメリカが3,000ドル予想を出していますし、2000ドルは、当たり前レベルの見通しになっています。
●金価格上昇の理由
- 米ドル安
- 新型コロナによるロックダウンで新興市場の金消費者について、購買意欲が高まる
新興市場は、高値の金を買う余力があるかどうか・・・ちょっと疑問もあります。1700ドル以上の金価格だと、実需の売りも出ていますしね。
富裕層が、株価急騰による警戒感で、金を買う
金が魅力的だからといって、全財産を金にまわす資産家は稀。資産の10~15%を金にまわすポートフォリオが最適と言われています。
とはいえ、プライベートバンクのほとんどは、これまで、金を強い推奨にはしていませんでした。ところが、コロナ危機後は、PBが、最大10%程度を加えるように方針転換しているのです。金は、年初来14%値上がりしているが、インフレ・デフレ両方のリスクヘッジになるというのが、金投資を推奨している理由。
モルガン・スタンレー(MS.N)のウェルスマネジメント部門責任者、リサ・シャレット氏は「マネーサプライや資金供給拡大が重しとなって、最終的にドルは下落するとみる。こうしたことが金をかなり堅調に推移させるだろう」と語った。ロイター富裕層が金に走る理由
- UBS:1800から2000ドルを予想。超低金利及び投資家がヘッジのために金を買う
- JPモルガン・プライベート・バンクの英・アイルランド部門責任者、オリバー・グレッグソン氏:嵐の中の安全な港として、年末に1750ドルを予想
短期は別として、富裕層は、長期的な面でのインフレリスクをだいぶ、警戒している様子。5年や10年単位でのインフレリスクから金価格の上昇を予想し、ポートフォリォに、金を加える動きが出ています。
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