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ロシア&中国による米ドル建て決済廃止政策:デジタル人民元が、壁を穿つことになるのか

米ドルの未来が、怪しくなっている今、中国やロシアで、米ドルを追い落とす動きが出ています。米ドルを介した決済は、国際的な取引の基本ルールでした。それゆえに、米国は、米国の利益に反する取引を停止させる能力を持ちます。つまり、米ドルの利用禁止を打ち出せばいいのです。決済に、米ドルを使えなくなれば、たちまち、その取引は中心に追い込まれてしまいます。これが、米ドルの持つ力であり、米国の経済制裁が持つ威力です。

米ドル建て決済を廃止する方向に、ロシア&中国が動く

そこで、中国やロシアを中心に、米ドル中心の国際決済システムに風穴を開けようという動きが活発化しています。これも、金価格上昇の一因であり、中国やロシアが、金を買い集めている理由の一つでしょう。

丸紅経済研究所の榎本裕洋氏による説明。トルコとロシアのケチャップに関する取引を米金融機関で行っている様子。

国際資金決済には「カバー」と言われる仕組みがあり、決済を行なう金融機関どうしが通常は決済通貨の母国(ドルの場合、米国)にある金融機関に有する口座を介して決済資金の付け替えが行われている。すなわちドル決済の場合、「ロシアのケチャップ会社の取引金融機関が在米金融機関に持つ口座」から「トルコの農業企業の取引金融機関が在米金融機関に持つ口座」に支払われることになる。トルコ・ロシア間の取引でありながら、決済は在米金融機関の間で行われているのだ。読者の中には「なぜルーブルを(ドルを介さず)直接リラに交換しないのか」といった疑問をもたれる方もいるだろう。しかしルーブルからリラへの直接交換は、「ルーブル⇒ドル⇒リラ」という間接交換と比較した場合、容易ではない。マネックス:ドル決済

決済通貨として、利用されるためには、外国為替市場で、自由な取引を行う必要があります。コストが安く、流動性が高い通貨でないと、コスト面で割に合わないからです。ルーブルや人民元では、コスト・流動性・自由度の面で米ドルに及びません。もちろん、ゴールドも流動性で、米ドルとは比べることもできないほど。

ただ、米国に反した取引をしないなら問題のない米ドル決済も、米国に反した取引をしたい場合は、足かせに。米政府やFRBによる経済制裁・米ドル利用禁止のリスクがあるため、中国やロシアとしては、米ドルを介さない決済を増やしたい。国際決済ができなければ、外国からモノを買えなくなりますから、米国に武器を一つ与えているようなもの。

デジタル人民元による米ドル決済追い落とし

そこで、コロナウイルスによる世界経済の混乱の中、デジタル人民元を普及させて、決済通貨の役割を果たそうという動きが活発化。国際未来科学研究所代表 浜田 和幸 氏が、記事にしているように、人民元を米ドルに変わる決済通貨として普及させたいという中国の野望が見え隠れしています。

中国はアメリカとの貿易通商摩擦を背景に独自のデジタル通貨発行に意欲を燃やしている。中国以外にもデジタル人民元を普及させようとの動きが出てきた。中国が進める「一帯一路」計画のなかでも、中国の出資するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が実施する途上国向け融資をデジタル人民元で行うという選択肢も浮上している。

デジタル人民元による米ドル追い落とし

外貨準備に人民元が占める割合は、まだまだ少ないものの、着々と手を打っています。

ロシア&中国が、外貨準備にゴールドを増やしている

例えば、2018年10-12月期時点で、世界の外貨準備のなかで人民元が占める比率はわずか1.9%に過ぎない。これは米国ドルの61.7%、ユーロの20.7%、円の5.2%、ポンドの4.4%に次ぎ、世界第5位だ。

しかし、中国は将来の人民元国際化の進展、あるいは米国との軋轢、制裁措置などを視野に入れて、独自の国際決済システムを2015年10月に導入している。それが、CIPS(国際銀行間決済システム)だ。
NRI:木内登英

クロスボーダー人民元決済システム:CIPS(シップス)について:みずほ銀行:PDF

中国のFang Xinghai氏も、米ドル決済システムによる、米国の制裁について語っています。

中国証券監督管理委員会の副議長であるFang Xinghai氏は、中国は主に国際取引において米ドル支払いシステムに依存しているため、米国の制裁の可能性に対して脆弱になると述べた。「こうした事態はすでに多くのロシアの企業や金融機関に起こっている。心理的な準備だけでなく、早期の準備をしなければならない」とファンは中国のメディアアウトレットCaixinが主催するフォーラムで語った。

Fang Xinghai氏の経歴

米ドル建て決済が、いきなりなくなることはないと思います。ただ、イラン・北朝鮮などをはじめとした経済政策を受けている国。中国やロシアといった米国に対抗して覇権の一部を握りたい国は、米ドル建て依存を減らしたい方向です。米ドルが弱まれば、金価格も上がる可能性があります。ストレートに米ドルから人民元に遷移するとは、思えませんので、一部のマネーは、金に流れると予想しています。

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