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IMFが指摘する過去10年蓄積された脆弱性のツケとは?

IMFは、2020年6月の国際金融安定性報告書で、新型コロナ危機からの回復を評価。しかし、経済成長率を下方修正するとともに、日米の株価を大幅割高と指摘。実体経済と株価の乖離、資産価格下落リスクの可能性を示唆しました。

IMFの国際金融安定性報告書:2020年6月

そのため、株式下落のヘッジとして、金価格も上昇。1,800ドルに近づいています。

2020年の世界経済成長は、-4.9%と4月からさらに、1.9%低下。回復は、予想よりも緩やかになる見通し。にもかかわらず、株価は回復しており、実体経済と株価の乖離は、いずれ、株価下落という形になる可能性は高い。

IMFの国際金融安定性報告書はこちら

  • リスク資産の価格が反発し、主要金利の低下で、金融環境は改善
  • 中央銀行が、迅速かつ大胆な施策を取った結果、新興市場を含め市場環境は好転
  • 不確実性がある中、金融市場と実体経済が乖離。リスクオンの低下が、景気回復の中断につながる恐れ
  • 新型コロナウイルスのパンデミックが、金融システムの脆弱性を顕にするリスク
  • 一部の新興市場やフロンティア子女うでは、債務の借り換えリスクが問題

株式市場と実体経済の大きな乖離によるリスク:10年間の脆弱性

IMFによるリスク。リスクが高い・不確実なときは、金価格が上昇します!

  • 株式市場は、急激利益の回復を見通している。V字型の経済回復を予想
  • IMFの世界経済見通しでは、経済の落ち込みは、以前の予想を超える厳しいものとなる。
  • 金融市場は、中央銀行による異例の支援策が続くと予想している。一方、米国の消費者信頼感指数が急落するなどデカップリングが生じている
  • 投資家の予想以上に、景気後退が長く厳しく続く可能性
  • ウイルスの第二波によるロックダウンの可能性
  • 中央銀行による金融市場の下支えが、継続できない可能性
  • 経済格差の拡大に対する社会不安

金融市場と実体経済の間の乖離は、米国の株式市場の高騰と消費者信頼感の急落との間で最近見られるデカップリングが物語っている(この2指標は従来同じトレンドを示してきた)。そのため、中央銀行による押し上げがない場合の上昇局面の持続性について疑問が投げかけられている。IMF;金融環境の緩和とリスク

IMFのレポートを読むと、数え切れないほどのリスクを世界経済が抱えていることを指摘しています。これを全部、回避せよというのは、無理だと言わざるを得ません。特に危険なリスク=過去10年蓄積されてきた脆弱性!

過去10年蓄積されてきた脆弱性

  1. 大幅な経済の収縮で、借り手が債務を返済できなくなる:企業・家計の債務残高は、増加し続けている。非常に高い債務を抱えたまま、非常に厳しい景気後退リスクに突入する
  2. 銀行部門の健全性維持が問われる:金融危機後の改革により、以前より、バッファーを持っている
  3. ノンバンク金融機関:厳しい景気後退時に、ノンバンクがどのような行動を取るかは未知の要素が大きい
  4. 新興国やフロンティア市場に多額の債務借り換えニーズに直面している

こういったリスク関連から、金買いの動きが出ています。ゴールドマン・サックスをはじめ多くの金融機関が、金価格上昇を予想しているのも、不確実な要素が大きいからでしょう。IMFの指摘するリスクが現実化すれば、2,000ドル超えも視野に。

逆に、コロナウイルスに対するワクチン開発が、上手くいけば、金買いの巻き戻しで。大きく下げることになるでしょう。

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