7月17日~21日週のNY金価格は上昇、1244.8ドルで引けました。上昇の理由は、ユーロ高ドル安の動きが起きたために、ドル安から金高という流れです。
さらに、トランプ大統領周辺の人物を巡るロシアゲート疑惑・オバマケア代替法案が議会を通らないことから、米国政治に対する不安感が増して金投資へとマネーが流れている面もあります。
米国のロシアゲート疑惑&FRBの利上げ観測後退
24日はイヴァンカさんの夫であるクシュナー上級顧問、26日にドナルドトランプジュニア&マナフォート選挙対策会長が証言する予定。この結果次第でロシアゲート疑惑及び米国政治に対する不安が増幅されるでしょう。
金相場に最大の影響を与える米FRBの利上げについては、年一回の利上げ&バランスシート縮小が既定路線。しかし、経済指標の悪化で、金融引締めがやや後退しています。米10年債金利は、2.24%まで下がっており、金価格にはプラス材料。
米国景気は、4-6月辺りから悪化するとの見通しが、当たっているのであれば、今後の金融政策に影響を与えそうです。具体的には金融引締めストップからの緩和路線へと逆戻りリスクをはらんでいます。
25・26日のFOMCは、イエレンFRB議長の記者会見がないため、声明文の変更がポイント。
●NY金価格をはじめとした日足チャート:GMOクリック証券のCFD
NY金銀・プラチナは反発。米株は少し横這い。米利上げ観測の後退が影響。
各国の政治経済状況
ECBは、7月20日の理事会で、現在の金融政策の維持を決定。ドラギ総裁は、声明文の変更・テーパリングなど来年以降の方針を秋に行うと話すも、まだ金融緩和が必要と堪えています。
景気は回復基調にあるものの物価は弱く、デフレの脅威こそ消えたものの、ユーロ圏の物価上昇率は6月に1.3%と弱くなりました。
日銀の金融政策決定会合(7/19・20日)も金融政策を維持。物価上昇率が目標である安定的に2%に達する時期は2019年度ごろと従来から1年先送り。
日本の金融政策が引締めへと移行する時期はまだまだ先になりそうです。
米国政治は、オバマケア代替法案がまたも頓挫。共和党の4議員が反対を表明。また、債務上限引き上げの議論も遅れており、10月には政府資金が尽きる計算。
また、トランプ大統領の支持率は36%と過去70年で最低と報道されており、政治停滞と不安が強まっています。にもかかわらず株式の上昇は止まりません。
日本でも安倍内閣支持率は29.9%と森友・加計そして共謀罪の議論で低下しました。
サウジ及び周辺国とカタールの断交で、サウジ側がカタールに国交回復のための提案を行ったとNYタイムズが報道。
13項目から6項目に要求を削減。下記は、13項目の要求の主な内容:引用はAFPより
・カタールを拠点とする大手衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)の閉鎖。近隣諸国は以前から同局が中東地域の対立をあおっていると非難してきた。
・ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)、イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)との関係断絶
・カタール国内にいるサウジなど4か国の反体制派の引き渡し
・イランとの外交関係の縮小
・カタール国内のトルコ軍基地の閉鎖
NY白金は、売り方の買戻しを中心に買い拾われている状況。欧州景気が回復基調にある中、底打ち感が出ています。
南アフリカは、中央銀行が7/20に金融政策決定会合を開催し、金利を0.25%引き下げて6.75%にしました。5年ぶりの利下げ。
●NY金価格の日足チャート:EVOCX
下値から反発。一目均衡表の雲に接触。遅行線が価格を抜きそうであり、ここで上昇が止まるか雲を抜けるか注目。
●NY東京金の日足チャート
東京金価格は、横這いから弱い上昇。強い方向感はなく、ここも雲に接触したあたりで、上昇が止まる可能性あり。
フィスコ
■来週の注目スケジュール
7月24日(月):スーパー売上高、独製造業PMI、米製造業PMI、JMMC会合など
7月25日(火):独IFO企業景況感指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)など
7月26日(水):英4-6月GDP速報値、FOMC政策金利、フェイスブック決算など
7月27日(木):中工業利益、米耐久財受注、アマゾン決算など
7月28日(金):消費者物価コア指数、米4-6月GDP速報値、独消費者物価指数など
米英GDPやFOMCに注目。ブレグジットのゆくえにも注目したい。
この記事へのコメントはありません。