G20ではシリアへの軍事介入で反対相次ぐ、経済は米緩和縮小を注視

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2013年9月5日に開幕したG20、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれて、シリア軍事介入を望む米国に対して反対論が相次いでいます。

今後の状況次第で、金価格にも影響を与えます。元々、化学兵器使用の疑いが出た直後の軍事介入が予定されていたため原油相場と金相場は上昇しました。

その後、議会や国際社会の支持を得る方向に変わったため、やや下落しています。

G20および前後のシリアに関する要人発言

G20においては、米国に賛成する国が少なく対米包囲網と言える状態。


米国の軍事介入賛成派

・ファビウス仏外相:アサド大統領に罰が下されなければ、交渉はないと確信している

・オランド仏大統領:欧州・米国・アラブ諸国による大連合を作るべき。アサド政権は罰せられなければならない

・安倍晋三首相:オバマ大統領の考えは十分理解している。化学兵器の使用は許されない。事態改善のためロシアを含む国際社会と緊密に連携する。

・英国のキャメロン首相:対シリア軍事介入の決断は正しいとしてオバマ米大統領を擁護した。

ただし、日本はあくまでも米国追随の姿勢、英国は、議会が反対しています。士気の高い明確な賛成国はフランスだけ。

●金価格が上昇するか下落するかの大きな材料となっていますが、即時攻撃が後退したことでリスク減少の状況!

G20開幕:動画

米国の軍事介入反対派

・中国財政省の朱光耀次官:軍事行動は世界経済に悪影響を及ぼし、特に原油価格に対しては上昇要因になる

・BRICS首脳:シリアに対する軍事介入が実施されれば世界経済が阻害される恐れがあるとの懸念を表明

・ロシア:シリア反政府派が化学兵器による攻撃を行った可能性があると主張。国連安保理の承認なしに軍事介入することは国際法に違反する

・ロシアのペスコフ大統領報道官:多くの国々がシリアへの軍事介入を支持しているとは言い難い

・中国の習近平主席&ロシアのプーチン大統領:われわれは緊密なやり取りを続けており、両国関係は前向きに発展している。世界の大国としてロシアの役割と地位が高まっている

・EUのファンロンパイ大統領:軍事力による解決はありえない。政治的な解決に向けた努力が必要。EUではフランスだけが軍事協力を準備している。

G20および国際舞台では、オバマ大統領の軍事介入は支持されておらず、国連含めた国際的な承認を得るのは難しい状況です。

各国が賛成しない理由

ロシアや中国がシリアを支援しているなど各国の思惑は別として、なぜ、ここまで賛成が集まらないかを分析します。

1.化学兵器を使用したのが政府側か反政府側かの証拠がない。

2.化学兵器を使用したとの明確な証拠がない。現在は曖昧な証拠ばかりで、英米の情報機関に対する国際社会の信頼はイラク戦争の大量破壊兵器問題でなくなりました。

3.軍事介入をしたところで効果がなく内戦抑止力にならない。

4.シリア国内にアサド政権以外の治安維持・政権維持できる勢力がなく、最終目的がない。

5.軍事介入をした結果、シリアおよび周囲の国民感情が欧米憎しとなり、テロが頻発する

6.シリアもしくはイランがイスラエル攻撃を行い、中東全体が戦場となる。石油価格上昇で経済危機。

化学兵器をシリア政府が使用したとの明確な証拠がない限り、国際世論の賛成は得られません。

米国内の状況

ワシントンポストとABCテレビの3日発表した合同世論調査では、軍事行動に賛成36%、反対59%

上院は賛成の意向で、下院についても野党の共和党幹部が支持を表明するなどで工作中。ワシントンポストの調査では、下院の反対派は127人、賛成16人。ただし大半は態度を決めかねていてどちらに転んでもおかしくない。

米議会に説明した軍事介入の目的

・化学兵器使用を防ぐためでアサド政権の転覆は意図していない。

・地上部隊は派遣しない。

・米軍の軍事行動は最大90日間

2013年9月6日の金価格

東京金価格は4500円台を付けた後に下落。9/6の高値は4495円

東京金日足:拡大

  • フィボナッチリトレースメントから見た調整があった場合の下値予測
    高値:4532円(9/4)
    安値:3750円(6/28)
    23.6%:4347.4
    38.2%:4233.2
    50.0%:4141
    61.8%:4048.7

NY金価格も1400ドルを付けた後に調整局面。9/5の高値は1400ドル

NY金価格:拡大

  • フィボナッチリトレースメントの下値予測
    高値:1434ドル(8/28)
    安値:1179.4ドル(6/28)
    23.6%:1373.9
    38.2%:1336.7
    50.0%:1306.7
    61.8%:1276.6572

ここでは、下値予測だけを出しましたが、シリア情勢と米FRBの動き次第で上昇の余地は大きくあります。本日、9/6の米雇用統計の数字次第で米国の量的緩和縮小スタートが9月になるかどうかキーポイント。

・縮小スタート:米ドル高金安

・シリア軍事介入:米ドル安金高

ただし、介入が短期に終わった場合は、リスク低下で金が売られる可能性がありますので、軍事介入=金価格上昇とは素直に言いにくく、経済や石油へのリスクが高くドルが安くなる=金高と捉えてください。

2013年9月6日