マクロン仏大統領の勝利によるリスクテーク相場も一段落し、米FRBの金融政策・トランプ政権のFBIコミ―長官解任&ロシアとの関係など、新たな材料探しが起きてくるのではないでしょうか。
北朝鮮問題は、一時的に落ち着きを見せていますが、またもやミサイルを発射するなど潜在的なリスクに変化はありません。5月14日に亀城(クソン)から発射されたミサイルは約800km飛行して、日本海上に落下。この問題はなかなか解決しないままズルズルと緊張状態が続きそうです。
金相場の見通し:2017年5月15日週
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●各金融市場の日足チャート:GMOクリック証券のCFD:2017年5月14日
金価格をはじめとした貴金属価格が下げ止まりを見せた週。株価は上昇するも少し踊り場か。日経の2万円・NYダウの21000、FTの7400近辺は壁になりそうです。
OPECの報告では、非加盟産油国による原油生産が2017年に64%増加するとの見通し。米国のシェールやブラジルでの生産が拡大。OPECは減産を延長する見込みも高値は望みにくい。
米国の金融政策と景気動向
米国のFOMCは、1-3月期の景気減速を一時的と見ており、今年は後2回弱の利上げを見込んでいます。
現在のシナリオでは、4-6月期のGDP成長率が上昇すると予想しており、悪化した場合がリスクシナリオ⇒金相場に買いが入りそう。米小売売上高&米消費者物価指数が市場予想より悪かったことで、少しだけ6月利上げ予想が後退しています。
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- 米4月小売売上高(自動車除くコア)(前月比) 0.3% 予想 0.5% 3月0.0%
- 米4月小売売上高(前月比) 0.4% 予想0.6% 3月-0.2%
- 米4月消費者物価指数(前年比)2.2% 予想2.3% 3月2.4%
- 米4月消費者物価指数(前月比)0.2% 予想0.2% 3月-0.3%
- 米4月消費者物価指数コア(前年比)1.9% 予想2.0% 3月2.0%
- 米4月消費者物価指数コア(前月比)0.1% 予想 0.2% 3月-0.1%
もし、原油価格が上がらなければ、インフレは逆戻りするリスクが出てくるでしょう。米経済が金利上昇の影響を受けて。景気減速しているならば、FRBの出口戦略は水泡に帰して、再度、利下げや量的緩和に向くことになります。これが、現在、考えられているイレギュラーシナリオ。
●NY金価格のチャート:2017年5月14日 EVOCX
一目均衡表の雲下方に接しており、激しい攻防が起きそうなチャート。RSI的には、一旦、下げ止まりを示唆している。
●東京金価格のチャート
こちらは、雲の形が薄く、上下どちらにも動ける相場。
2017年5月12日、世界各地で大規模サイバー攻撃が発生。日産自動車の英国工場。ドイツ鉄道、ロシア中央銀行などが被害を受けました。サイバー攻撃が本格化した場合、世界経済に与える影響は甚大であり、電子マネー化しつつあるお金に対して実物資産の金投資の需要が増える可能性あり。
サイバー攻撃は、米国家安全保障局(NSA)から盗み出された技術を悪用したとみられる。ロイター通信は攻撃が起きた12日の時点で、被害国数を「約100カ国」と伝えている。
また、中国の国債市場に問題が生じている可能性をWSJが指摘。期間の短い5年物国債利回りが3.71%、10年物国債の3.68%を上回るという異常事態が生じたと5/12に報道。中国政府の政策が原因なのか、何等かの問題が起きているのか注目しておくべきニュース。
今週はリスクテイク相場から新たなステージへと動く相場になるでしょう。
5月15日(月):国内企業物価指数、中小売売上高、米NY連銀製造業景気指数など
5月16日(火):第3次産業活動指数、独ZEW期待調査、米住宅着工件数など
5月17日(水):機械受注、英失業率、ユーロ圏消費者物価指数改定値など
5月18日(木):1-3月GDP速報値、中新築住宅価格、米景気先行指標総合指数など
5月19日(金):訪日外国人客数など
5月20日(土):トランプ米大統領が初の外遊などフィスコ
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