豊臣秀吉は、天下統一したあとに組み立て式の「黄金の茶室」を作りました。
当時の正親町天皇にお茶を献じるために作られたもので、千利休の侘びと対極にあるきらびやかな茶室です。キンキラキンの成金趣味というなかれ。
黄金の輝きは昔の方が美しかったという意見があることをご存知でしょうか。様々なネオンや明かりに照らされた現代よりも松明や蝋燭といったほのかな明かりしかなかった時代の方が、人々を魅惑する幽玄なる輝きだったのではと思いませんか。
秀吉の黄金茶室を再現
復元された茶室は、いくつか存在します。
静岡県熱海にあるMOA美術館、信州松本市にあるSGCゴールデンキャッスル、石川県金沢市の箔座、そして大阪城天守閣などにレプリカが展示されています。
大阪城で再現されたお茶会です。
レンタル可能な黄金の茶室
そして、中でもレンタル可能な茶室がSGCゴールデンキャッスルです。
監修は国立博物館が行い樹齢200年の尾州檜に金箔約1万5千枚を使っており、漆を十数回も重ね塗りした逸品です。
黄金茶室のレンタル料
価格は、7日間で315万円、茶道具一式は105万円です。
天井高が3m程度必要とのことで一般の家庭では無理ですが、企業のイベントなどでは利用可能ですね!
豊臣秀吉の時代、日本はゴールドラッシュに沸き立ち、豪華絢爛な安土桃山時代として金を使った芸術が花開きました。
千利休が、黒楽茶碗を作り枯れた美を作り出し、秀吉が赤や金で派手な美を作り出し、日本人と日本が世界でも有数の強国だった時代です。
この茶室をレンタルする位の勢いが各地で起こると日本の景気も回復するかも!
このゴールデンキャッスルは、居酒屋チェーン店の養老の滝が運営しており、茶室以外にも屋久杉や珊瑚のコレクションを展示しています。
豊臣秀吉と千利休の美意識
黄金茶室の対極にある美「千利休の待庵」。わずか二畳そして狭いにじり口から入る茶室です。
わかりやすい黄金の美に対して、枯れて煤けた待庵の美。千利休が豊臣秀吉に切腹を命じられた理由は諸説ありますが、もしかしたら美意識の違いが大きな原因になったのかもしれません。
利休忌(3月28日)には、利休と秀吉に想いをはせながらお茶を飲んでみようと思います。
秀吉が隠したとされる黄金は多田銀山にあり
市川海老蔵演じる利休が見もの山本兼一氏の「利休にたずねよ」は2013年12月7日公開!