南アフリカの公営電力会社エスコムの債務問題・停電トラブルは続いており、今後、パラジウムや白金の採掘に支障を来す可能性があります。
採掘できないとなれば、供給不足の心配が出てきます。環境問題が叫ばれる中、世界のエネルギーは、化石燃料から燃料電池などへと切り替えの動きが出ています。触媒に使う白金・パラジウムの需要は増えており、価格は上昇気味。そのため、南アフリカの状況は気になります。
南アフリカは、公営エスコムが債務を抱え、電力・停電が深刻
池水氏も計画停電による白金・パラジウムの鉱山生産に影響が出ることを心配しているとのこと。
僕の現在の#PGM の注目点は南アの電力事情です。2000年台前半からずっと続いている歴史的な問題ですが、より深刻な状況になりつつあります。Stage 5から8になる可能性が高いとESKOMは予想しています。となると計画停電は定期的に12時間ということになり、鉱山生産にも多大な影響を与えるでしょう。
— Bruce Ikemizu (@BruceIkeGold) January 26, 2021
南アフリカ共和国・ESKOMは4月まで計画停電が頻発する可能性が高いと発表。なんと50%もの時間帯で供給不足が発生する見込み。https://t.co/Bbp3mKofVj
— 松尾 豪 (@gomatsuo) January 16, 2021
2019年の電力不足は、2019年の第1四半期、GDP成長率が3.2%低下した要因の一つと考えられています。
南アフリカの原子力
設備の老朽化や故障の多い南アフリカ・・・原発を所有しており、現役で稼働中。
南アフリカは, クバーグ原子力発電所の原子炉の寿命を延命するために12億㌦を投ずる.
同国はアフリカで唯一の原発保有国であり, 同発電所は首都ケープタウンより北30㌔㍍にある.
同原子力発電所を所有・操業するのは, 国営電力会社エスコム(ESKOM). https://t.co/PCzQNL03FS
— supippo (@supippo) October 25, 2020
エスコムの債務問題
🇿🇦エスコム
◽️南アフリカ電力公社
◽️南ア90%、アフリカ40%の電力を供給
◽️但し、債務返済(約3兆円)に難儀しており、発電、送電、配電の3事業に分割
◽️汚職も多く、経営は悪化。2019年から計画停電も実施
◽️石炭火力発電所は老朽化
◽️鉱山採掘も満足に出来ず南アの信用力を揺るがす
◽️売上高:1.5兆円 pic.twitter.com/dRnMF5qnF1— 海外四季報🇺🇳🇯🇵 (@Connected_Sekai) August 17, 2020
エスコムは南アの電力の9割以上を供給する国営電力会社です。ストライキもご指摘の通り深刻なのですが、3兆円を超える債務も深刻で事実上破綻状態となり、設備の維持・運用に支障をきたしていました。今回の予算案で約50億米ドル規模の救済支援が発表されています。
— 山岡和雅@書籍絶賛発売中 (@duck_bill) February 21, 2019
ラマポーザ大統領は、2019年2月、発電・送電・配電の3組織に分割と公表。ティト・ムボウェニ財務相は2019年の予算演説において、南アフリカ政府がエスコムに3年間で690億ランド(50億米ドル)の救済案を発表。
2019年7月に退任するにあたり、CEOは、「死のスパイラル」に入っていると警告。
南アフリカの電力事情。かなり危なそうです。抜本的な改革が無い限り、パラジウム・白金などの供給に問題を生じさせる可能性が続きそうです。
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