米中の経済戦争は、激しくなり、政治スタイルまで踏み込むことになりました。そして、ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏は、米中の資本戦争による米ドル下落について指摘しています。
米ドル下落は、金価格上昇に繋がる要因であり、すでに、現在進行中です。ここから資本戦争が起きれば、米ドルの安定及び価値に大きなダメージを与える可能性がありますね。
レイ・ダリオ氏が警戒する資本戦争とは
レイ・ダリオ氏は、中国との資本戦争及び財政赤字は、米ドルを危険にさらすと説明。FOXの「サンデー・モーニング・フューチャーズ」で語った内容をブルームバーグが紹介しています。
米中「資本戦争」ならドルに打撃と警告、健全性に既に不安-ダリオ氏 https://t.co/vmi6yZj7hD
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) July 27, 2020
レイ・ダリオ氏は、このところ、米ドルの健全性と通貨安に警鐘を鳴らしています。実際、対金価格及びユーロに対する米ドル安は起きていますからね。
「『中国に投資してはならない』と法律で定めたり、場合によって米国が中国で義務を負う債券の支払いをやめたりすれば、これらは可能性だが、例えばドルの価値に対する大きな影響を伴う」と述べた。
米国が「自国の最大の敵」になることで、ドルの安定を既に危険にさらしている」とダリオ氏は指摘。「私が最も懸念するのは、われわれの通貨の健全性についてだ。生産性を高めずに財政赤字を計上し、国債を発行し、貨幣を増発し続けることはできず、それは長期的に持続不可能だ」と訴えた。
米国が、中国への投資を制限する資本戦争を選んだ場合、米国債の売却など報復手段を取るだろうとの指摘。
資本の流れを制限することは、その結果を考えると、まさしく核兵器という選択肢と同じに見える。 中国が報復として保有する米国債の売却を始めるのはほぼ確実であり、何らかの形で貿易協定に合意しようとしてきたそれまでの態度を完全に翻すだろう。 しかし、中国の資産の一部を選択して狙いを定めることは避けられないかもしれない。資本戦争
中国は、資本戦争に備えて、金を買い集めてきました。しかし、米ドルの流れを断たれた時、人民元とゴールドだけで、決済を賄うことはできないでしょう。その時に備えて、用意しているデジタル人民元の用意も整っていません。
そして、米国内への投資強化として、対米投資規制を厳格化し、ファーウェイの締め出しなどを行っています。次世代5G規格をファーウェイに握られては、情報・通信覇権を中国に委ねるということ。英仏を仲間にして、中国に対抗しようとしています。
第2の手段は、米国内の投資規制強化である。米国防権限法(2019)は、米政府機関による中国ハイテク5社の製品調達を禁止し、対中輸出規制を強化し、また対米外国投資委員会(CFIUS)による対米投資規制を厳格化した。さらにトランプ米大統領は、米企業に対しても安全保障上リスクがある企業の通信機器の調達を禁じる大統領令に署名した。事実上の華為技術(ファーウェイ)の全面的な締め出しである。キャノングローバル戦略研究所
米国の投資規制強化は、イスラエルにも拡大。米国による中国包囲網は、着々と敷かれつつある。この包囲網に対して中国は、どのように反応するのでしょうか。資本戦争の行方は、金価格に大きな影響を与えます。
米中間の資本戦争後のシナリオ
- 米国の軍門に下り、米国覇権及び米国ルールを段階的に受け入れる
- 米国の対中同盟に反抗し、イランやロシアと同盟を作り上げる
- 米国の行動をブラフと判断して、従来どおりの行動を継続する
- 国連や他国を巻き込んで、米国との交渉を進める
- 台湾侵攻など軍事行動による全面対決を行う
米国の投資規制強化によりシリコンバレーを撤退していった中国資本。
近年中国の対イスラエル投資は拡大したが、トランプ政権の圧力により、イスラエル政府は機密度の高い分野での取引を監視する新たな政府機関の設立に動いており、両国の蜜月は終わりを迎える可能性がある。https://t.co/BG1WnQY1Yd— ryu (@dcz_ryu) March 14, 2019
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