各国の中銀が金融引締路線へのチェンジを示唆し、金価格は弱い:2017年7月3日週の見通し

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先週は、ECB・英国・カナダと相次いで金融緩和路線が終りを迎えたことを示唆する発言が出てきて、長期金利が上昇しました。

2017年は、長らく続いたデフレから緩やかなインフレへと世の中の流れが変化したターニングポイントになりそうです。金は金利が付かないため、長期金利の上昇によって下落する可能性があります。

1週間の長期金利の動き

  • 日本:0.05%→0.07%
  • 米国:2.14%→2.30%
  • ドイツ0.25%→0.46%

日本はわずかに上昇。ドイツと米国はそれなりに上昇。

●日足チャート:2017年7月2日

原油価格は上昇

金価格は横ばいからやや下落。イギリス株は下落。原油価格は42ドルを底値に反発して46ドル台に戻る。

熱帯性暴風雨「シンディ」の影響等で、米国の原油生産量が減少したことが反発の理由。

各国中銀の緩和から引締めへの変化発言

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各国の中銀総裁が行った金融政策の変化を予想させる発言。

●ECBのドラギ総裁:デフレ圧力がリフレに置き換わった。まだ、緩和策の継続は必要との認識。

●英国のカーニー総裁:英国経済が好調であれば、金融刺激策の一部撤回が必要

●カナダのポロズ総裁:利下げにより原油価格の下落時をやりすごせた。カナダ経済は最悪期を脱して新たな金利決定に近づきつつある。

カナダ中銀&英中銀の金融引締め発言

ECBをはじめとした中銀の金融引締めは、金相場安の原因に

長く続いたデフレ&緩和路線は一旦、幕を閉じて金融引締め路線へと転換していきそうです。しばらく、金価格は下落するリスクがあります。

金には金利が付かないため、金利が上昇する金融引締め時には安くなりやすい傾向。

金には金利が付かない

ECBは、秋にもテーパリング(金融緩和縮小)の具体策を明らかにするでしょう。トレンドは金相場安に向いていますが、ブラックスワンとして北朝鮮問題や米国や欧州の株価が控えており、金の暴落とまではいかないのではないでしょうか。

イエレンFRB議長は、6月27日のロンドン討論会で、「生きている間に新たな金融危機が起きるとは思わない」と2008年の金融危機以降に導入した規制強化に自信を見せました。

こういうことを中央銀行及び官僚が言い始めるとろくなことはありません。人類の歴史上、金融危機やバブルは必ず生じて、その都度、大変な事態が生じています。市場経済で競争がある以上、歯止めが効くことはありません。必ず抜け道や過当競争は起きてしまい、金融システムのクラッシュは起きるでしょう。

ガンドラック氏は、AIによる投資が拡大し、皆が同じようなポートフォリオとロジックになれば、クラッシュが起きるだろうと主張しています。

また、仮想通貨のビットコイン・各企業の発行するポイントプログラムについても問題があります。ビットコインは、一般の通貨と違い発行上限があるために、通貨価値の毀損がないとのロジックで動いています。しかし、ビットコインに上限があっても、他にも800を超える仮想通貨が存在し、新たな通貨がどんどん生まれる以上、発行上限は絵に描いた餅でしかありません。

今の経済環境は、稀に見る安定した時期に入りつつあるものの、いつまた問題が生じるか分かりません。EUの格差問題・難民問題はまったく片付いていませんしね。

イスラム国の拠点「モスル」が陥落してもフィリピンのミンダナオ島をはじめとした各地で戦闘が生じています。文化・宗教対立・経済格差が根本にある以上、事態の収束は困難です。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX 2017年7月2日

NY金価格の動き

動きが弱まってきている。NY金価格の下抜けリスクに注意したい。

●東京金価格の日足チャート

東京金価格の動き

東京金価格は、横這いの動きが続く。

ABNアムロのジョルジェット・ボエル氏は、年内の金相場は緩やかながら、米ドル安から恩恵を受けて上昇すると予想。2017年末の金価格は1300ドル、18年末を1400ドルと予想。

サクソバンクのオレ・ハンセン氏は、株式相場の大幅調整リスクがあり、金投資の需要が生まれていると指摘。

米ドル/円は、ドル高円安の動きにありますが、今後、ユーロの金融引締めが続いていけば、ユーロ高ドル安による金相場上昇の可能性があります。

来週の金相場に影響を与えるイベント

7月3日(月):日銀短観、中財新製造業PMI、英製造業PMI、米ISM製造業景気指数など
7月4日(火):豪小売売上高、米独立記念日など
7月5日(水):中財新総合PMI、英総合PMI、ユーロ圏小売売上高、FOMC議事録など
7月6日(木):独製造業受注、米ADP全米雇用報告、米ISM非製造業景況指数など
7月7日(金):GPIF16年度運用実績、独鉱工業生産、米非農業部門雇用者数など

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