米国債長短金利のフラット化が、金価格に与える影響

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米国債金利のフラット化が金融危機への警告になりやすいのは、以前から良く知られた話。現在、10年債金利は2.82%と2年債の2.54%に対して0.3%も開いていない。米国の物価が上昇していけば、FRBが利上げを行い、さらに縮小する可能性があります。そうなると、金融市場がクラッシュし、金価格にも大きな影響を与えるでしょう。

中国の上海株は下落し続けており、中国経済への不安も気になるところ。

リーマンショックなど金融危機が生じる時は、イールドカーブのフラット化が起きやすいのは、下記の記事で書いた通り。

長短金利差のフラット化と金融危機

米国債長短金利のフラット化と金価格

米中欧の貿易戦争、対イランを巡る中東の覇権争いと金価格に影響を与える要素は大きい。その中でも、米国の金利は、最重要事項と言っていいでしょう。

2018年6月の米雇用統計は、失業率が悪化するも、労働参加率上昇という良いニュースがあるため、問題はないとみられています。貿易戦争にも関わらず、米経済は強いことが証明されたとみて良く、FRBの利上げ路線は継続されると考えられます。原油価格も70ドルを超えており、インフレ&雇用&好調な米経済と3つの要素が揃っている以上、利上げ継続予想は継続。

米FRBが利上げ継続の間は、金価格の先行き予想も弱気にならざるを得ません。

景気サイクルの観点は、10年周期の終りに近づき、コモディティ市場が上昇するのは、強気相場のクライマックス。株式をはじめとする金融市場が崩れる可能性を常に考えなければいけない時期。

FRBのFOMC議事録でも、長短金利差の縮小=フラット化への議論が行われており、6月議事録に、下記のような危機意識が見出されています。

「経済が潜在能力を上回るペースで長期にわたり成長を続けていけば、インフレ圧力の高まりや金融不均衡を生み出し、最終的に深刻な景気低迷につながる恐れがある」との意見もあった。

さて、そうなると、米国金利のフラット化が金価格に与える影響が気になります。

資産デフレで金は上昇

一般に、インフレに強いと言われる金相場。1970年代には、オイルショックに伴うインフレで、大きく上昇しました。また、21世紀に中国をはじめとした新興国の成長で、大幅に金投資への需要が拡大し、価格も上昇。

一方で、通貨としての役割を高めたこともあり、金利水準に敏感です。金利が上昇すれば、金利が付かないために、金価格は下落というのがセオリーで、FRBが利上げ路線に切り替えてからは、やや下落トレンドが継続しています。

この先については、長短金利のフラット化で、株式をはじめとした資産価格が下落しはじめれば、金価格上昇の可能性は高いと予想します。米国の株式市場を重視しているトランプ政権は、FRBのジェローム・パウエル議長と歩調を合わせるでしょう。すなわち、金融引締めから緩和へと路線変更を行います。それは、金価格の大幅な上昇に繋がると考えるのが普通。

株式市場・不動産市場の下落は、金価格の上昇に繋がる

資産デフレは、金買いが、セオリーであり、2019年以降にその場面が来る可能性は高いと思います。

現在の金融市場は、リスクが非常に多い状況であり、ジェフリー・ガンドラック氏は、以下のような内容をツィート。

  • イールドカーブは、フラットに近い
  • FRBは引締め
  • 関税=貿易戦争
  • 株式&債券は割高
  • 増える財政赤字
  • リスクは増加し、ゴルディロックスではない

◆金価格の週足チャート サクソバンク証券CFD 2018年7月8日

金価格のチャート

金価格は、米ドル建て、日本円建てともに、平均足で下落トレンド。

しかし、米ドル建ての日足チャートでは、弱い上昇に転じており、日本円でも強弱入り混じる状態。

米中の関税は、2018年7月6日を超えて、スタートしており、来週の金融市場は荒れるリスクがあります。

金相場もその影響を受けて下支えされる可能性もあり、明確なトレンドが出ないか久しぶりに反発する可能性がある相場と予想しています。ただし、強気になるのはまだ早いと思います。