金価格と為替相場:米ドル安円高になると上がるのか下がるのか?

金価格が、円高や円安といった為替市場の変動でどのように動くのかを見てみましょう。世界市場と金価格

近年の為替相場は、円高傾向が強く2011年10月の75円台を底値として2012年の年末まで円高の状態でした。

ドル/円のレート

上田ハーローFXのドル/円月足チャート

為替が米ドル安円高に動くと金価格は下がる

円高になると、海外からの輸入品の値段が安くなったり、海外旅行の料金が安くなります。金(Gold)も海外からモノを買うということで輸入品と同じように考えることができます。

金投資と為替

金価格が1トロイオンス=1600米ドルの場合、国内の金価格は1600÷31.1(1トロイオンスを1gに換算)×為替相場で計算できます。

国際金価格が1600米ドルと変化がなくてもドル/円相場が変化すると日本国内の金価格は大きく変化します。ドル/円相場が75円の時に1g約3,859円の金価格は90円だと約4,630円になります。

つまり、日本国内で金を買うときには円高状況の時がチャンスです。

為替相場と金価格の関係

国内金価格は、円高で安くなり円安で高くなると覚えておきましょう。もちろん、為替相場が将来、どう動くのかを予測することは難しい問題です。

金と米ドル相場の関係はニクソンショックで変化

次に金価格とドル相場の関係を見ていきましょう。もともと世界の経済は、国ごとに異なる通貨の信用を金で裏付ける金本位制によって動いていました。

この金本位制により、政府が紙幣を発行する量(通貨供給量)に、一定の制限がかかっていました。

第二次世界大戦後のブレトンウッズ体制のもとでは、米ドルと金は金1トロイオンス=35米ドルの固定相場でした。35ドルを持って行けば、いつでも1トロイオンスの金と取り替えることができる兌換紙幣だったのです。
しかし、ベトナム戦争の重荷に苦しむ米国は、1971年にドルと金の定率交換を中止すると一方的に宣言(ニクソンショック)。

ニクソンショック以降、金とドルの関係は、その時の経済情勢によって変化する変動相場制になりました。

金価格とドル相場は逆相関

基本的に、ドルが安くなると金が買われ、ドルが高くなると売られる傾向があります。金価格とドルは逆の動き(逆相関)です。セオリーとして言えるのは米ドル高⇔金相場安。

世界の基軸通貨である米ドルは、取引量・流通量とも世界ナンバーワンの通貨。ユーロや人民元のシェアが伸びてきてもなかなかその座は揺らがない。米ドルを売却すると、代わりに何か他の通貨や資産を購入しなければいけません。その一つとして選ばれる資産がゴールドです。そのため米ドル売りは金相場上昇に繋がりやすいのです。

下記は、ドル/円とNY金(Gold)のチャートを重ね合わせたものです。ドルが安くなり円が高くなると金価格が高くなる=逆の動きをしていることが分かります。

金とドル/円
GMOクリック証券の月足チャート

なお、為替相場は、ドルと円だけでなくユーロやポンドなどの通貨もあるため、正確に見るときは、ドルインデックスというドルと他の通貨の関係をあらわしたレートを使います。

ドルを買うか?それとも金を買うときか?

金は、基本的に持っていても金利を生みません。そのため世界経済や政治が安定している時には買われずに価格は安くなるか動かなくなります。そして、世界経済が不安定になれば、リスク回避の意味で「金が買われる=有事の金」ことになります。

米ドルは、世界の基軸通貨であり、世界各国の政府や大企業は、あらゆる形でドルを保有しています。ドル安になればその資産価値は減るため、投機マネーはヘッジ先として他の通貨や資産にお金を動かします。

そのドルから逃げ出したお金のヘッジ先として「金(Gold)」が選ばれます。

ただし、必ずしも金相場とドルは逆相関になるとは限らず、金自体の材料やファンドの売買などで動き、ドルと金価格の関係が薄れたと言われることもあります。

 

ゴールドは、単なる綺麗で役に立つ金属(商品)ではなく、「通貨としての面」を持っているからこそ米ドルと逆相関の動きになります。古来より唯一無二の資産と最大限の評価を与えているくらいゴールドは、世界共通で不変の価値を持つ貴金属。