金は、電気抵抗が小さく、延性が高いため、電子部品やコンピューターの回路などに用いられています。アクセサリーや通貨としての用途以外にも活用範囲の広い金属。
錆びにくく耐食性・耐久性も高く、他の金属とも溶けやすく混ぜ合わせて合金にしやすいことも特徴。そこで、金・銀・白金・パラジウム・ロジウム・イリジウムなど様々な金属を混ぜて合金として利用されます。
代表的な工業用の金製品
代表的なものとしては、パソコンや携帯電話の半導体に使用されるICチップの電極を接続するボンディングワイヤ。直径数ミクロン~の金や合金ワイヤを用いて電極を接続します。クリアで高速な電気信号を伝える高い安定性を持っています。
人工衛星の保護剤や宇宙飛行士の船外活動用のヘルメットにも薄く伸ばした金を利用。古くから、メッキや着色としての用途は、芸術品以外にも価値を認められていました。近年は少なくなりましたが金歯ひいては歯科用の合金としても利用。
近年は、化学合成や空気浄化など、化学反応を起こす触媒用途の技術開発が進み「金触媒」を研究している企業が増えています。
このように、工業用に活躍している金は、多くの製品にわずかながら含まれているため、廃棄された携帯電話や工業用品を溶解し、金を抽出するリサイクルが進んでおり新たな金鉱山=都市鉱山として注目されている。
主な工業用の金製品メーカー
工業用貴金属製品の石福:工業用貴金属
ハルタゴールド株式会社:金ナノ粒子触媒の販売を受け付け開始
日本マテリアル:工業用地金素材メーカー。慶長小判の復刻も手掛ける。
工業用金需要の開発を行う方にとっても金価格動向は気になります。価格上昇により工業製品として採算に乗らなくなる可能性が出てきてしまいますので。