かつては、黄金の国ジパングとして、織田・豊臣・武田・上杉など戦国大名の隆盛を支えたのが日本各地の金山。しかし、現代は、事業としての金鉱山の採掘はほとんど行われていません。大手の金鉱山会社もほとんど外国の会社です。
その中で、日本唯一の採算ペースに乗る金鉱山は鹿児島県の菱刈鉱山。こちら実は世界一の要素あり。
住友金属鉱山の菱刈鉱山の金鉱脈
菱刈鉱山(ひしかりこうざん)は、鹿児島県伊佐市の菱刈地区東部にある日本最大の金鉱山。貴金属を産出。
1981年に金属鉱業事業団が鉱脈を発見し住友金属鉱山が1985年から採掘をしています。
金鉱石が世界一の高品位
最大の特徴は、鉱石1トン中に含まれる平均のゴールド含有量が約40gと超高品位なこと。世界の主要鉱山は約3から5gですから10倍の金を含んでいます。
正確な統計ではないのが残念ですが、操業中の鉱山で世界一の金含有量と言われています。
現在も年間の7.5トンの金を産出しており、1985年の出鉱開始以来194.1トン(2011年12月末現在)の金を産出しました。住友金属鉱山
奇跡のヤマ:菱刈鉱山、白い部分が金鉱石。金はいわゆる金塊として転がっているわけではなく大きな鉱石にわずかな金が含まれているのです。それを様々な精錬方法で取り出します。
2012年10月には、新たな鉱脈が30トン見つかり、推定埋蔵量は約180トン!
金価格を1g=4,500円として計算すると8,100億円の価値を持ちます。凄い金額です。
金鉱山の住所:鹿児島県伊佐市菱刈前目3844
最後の相場師:是川銀蔵氏が住友金属鉱山株で大勝負
新聞に菱刈で金鉱脈が発見されたという記事を読んだ是川氏は、現地に飛んで金山の様子を確認します。もともと、朝鮮半島で鉱山経営をするなど、鉱山に詳しい是川氏は住友金属鉱山株を買い大株主になります。そして、200億円の利益を得て、1983年の長者番付一位の座を獲得。
もっともこの仕手戦に関しては、住友側との様々な戦いがあったようです。
その後、是川銀蔵氏は、公益財団法人として是川奨学財団を設立し子供たちの教育に尽力した見事な人生を送りました。