東京金およびNY金の2013年9月のチャート分析を行います。シリア・エジプトなど中東情勢と米FRBの量的緩和縮小に金融市場のカナリアとも称される金相場は揺れています。
金価格のテクニカル分析
2013年9月25日現在の分析をエースCXオンラインのチャートを元に行います。
●東京金の日足チャート分析:クリックすると拡大
上向きだったボリンジャーバンドが横這いおよびダウン方向に向きつつある。ボリンジャーバンドの下限で下値は支えられつつありトレンドラインでも抵抗線で下支え。
ただし、チャートの形状から上値は重そうに感じる。
横這いおよび小さな下落が続く可能性が高そうな傾向を見せている。
2013年9月は乱高下と予測していましたがシリア情勢の落ち着きで金価格は下落。その後量的緩和継続で上昇下落と荒い値動きが続いています。
高値:4532円/g 日付13/ 9/ 4
安値:3750円/g 日付13/ 6/28
この高値と安値からフィボナッチリトレースメントの下値を計算した数字。
38.2%:4233.276
50%:4141
61.8%:4048.724
76.4%:3934.552
●NY金チャート分析:クリックすると拡大
NY金チャートは、一目均衡線の雲の下限がちょうど1300ドル前後にかかっている。
エジプト・シリア情勢の悪化で始まった金価格の上昇トレンドの抵抗ラインを破った。ボリンジャーバンドの向きが下方に向き始めたなど金価格下落シグナルを示していることが気になります。
1300ドルを割り込むと大きく下落する可能性が出てきます。
高値:1434ドル/オンス 日付13/ 8/28
安値:1179.4ドル/オンス 日付13/ 6/28
直近安値:1291.5ドル/オンス 日付13/ 9/18
同じくフィボナッチリトレースメントで計算。
38.2%:1336.7428
50%:1306.7
61.8%:1276.6572
76.4%:1239.4856
金価格に影響を与える事件やイベント
1.中東情勢
エジプトやシリアの情勢:米国のシリア攻撃は、国連にゆだねる方向で落ち着きつつある。化学兵器は使用自体はうやむやのままで廃棄の方向か。
イラン問題:ロウハニ新大統領が欧米と対話路線を選択。核兵器開発を後退させる代わりに経済制裁解除の方向で動く。
全体的に夏場より緊張緩和の方向に動いている。火薬庫であることは変わらず、大きな事件が起きれば一挙に金価格上昇につながる。
2.東アジア問題
中国経済:中国経済はシャドーバンキングや不正会計、格差問題で揺れつつも一定の経済成長で進んでいる。
韓国と北朝鮮:韓国は、中国寄りの姿勢を見せつつあり、中国主導のもとで南北統合の方向へと進む可能性あり。
日本:消費税増税やアベノミクスによる経済成長が可能か。日米蜜月関係を維持する方向へ。ドル/円相場も動かず。
3.米国
量的緩和縮小:9月FOMCでスタートせず、10月か12月か来年か。スタートすれば金価格は下落方向に向かうが実際のスタート前に価格はこの材料を織り込むはず。
米国債務上限問題:またもや米国政府の債務問題が再燃。最終的にまとまる可能性が高いも、連邦政府機関の機能停止などリスク要因として存在。万一の時には金価格上昇や株価下落などが起きる可能性ありです。
金相場と為替相場
●ドル/円週足:SBIFXトレードのチャート
金価格に影響を与える為替相場は、ドル/円の動きが少なくなり東京金とNY金の動きに大きな変化はなし。
このままドル/円が円安に動かないと国内金相場の大幅な上昇は望めない。
●ユーロ/ドル週足:SBIFXトレード
ユーロ/ドルはゆっくりとユーロ高の傾向が続いている。NY金価格の下支え要因の一つ。
2013年9月25日