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尖閣諸島の防空識別圏で日米対中国の対決姿勢強まる。有事の金は動かず

中国政府は2013年11月23日、尖閣諸島上空を含む空域に、防空識別圏を設定したと発表しました。

これにより、日米との緊張関係が大きく高まっています。金価格は今のところ、大きな上昇や下落を見せず1250ドル近辺で横這い状態。

尖閣諸島に防空識別圏を設定した中国政府の目的

尖閣諸島は、「中国固有の領土で、中国は断固として領土主権を守る」
防空識別圏の設定の狙いが尖閣諸島の主権の主張を強めることにあることを認めた。

米国政府の批判に対して、釣魚島(尖閣諸島の中国名)の主権問題でありどちらの肩も持つべきではない」と反論。

これまで繰り返してきた領海侵犯よりも今回の行動は、日本に対して敵対的であり、尖閣諸島の領有を強く主張する行動。

Google Mapsで見る日中の防空識別圏


より大きな地図で 日中の防空識別圏 を表示

赤が中国、青は日本で見事に重なっています。

日中戦争のリスクは、以前に比べて大きく高まっています。ただし、金価格の動きを見ても有事の金として上昇する気配はありません。

今後、起きるかどうかは分かりませんが、すぐではないでしょう。

NY金価格の動き

NY金価格は大きな動きを見せず。(DMMFXチャート

領空の周囲に設定する防空識別圏

防空識別圏は、国際法上の領空とは異なるものです。 速度の早い飛行機は領空侵犯が起きてから何らかの対応をしても間に合いません。

そのため、届けのない航空機が防空識別圏に進入した時点で撃墜・威嚇など空軍による含む対応が行われる可能性が高い。この範囲に外国の航空機が入ってくると戦闘機のスクランブルやミサイル攻撃などを受けても不思議ではないわけです。

ここに無断で入ってくることは、敵対的行為とみなされるわけです。

今回、尖閣諸島上空を中国が防空識別圏に設定したことで、日本が既に設けている範囲と重なり合っているために両国の緊張が高まっています。

現状において尖閣諸島を実行支配しているのは日本であり、これまでは中国も上空に防空識別圏を設定することはしていませんでした。

日本と米国の反応

ヘーゲル米国防長官は小野寺五典防衛相と電話協議を行い、中国が設定した防空識別圏の範囲に含まれる尖閣諸島(中国名・釣魚島)は日本防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用対象であると再確認。

米国防総省当局者は26日、米軍のB52戦略爆撃機2機が米東部時間25日夜、中国への事前通報なしに沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)上空を飛行したと明らかにした。

米ホワイトハウスのアーネスト報道官は26日、尖閣諸島をめぐり日中が対立していることについて、外交的に解決すべきとの見解を示した。

小野寺五典防衛相は27日午前、中国が設定した防空識別圏を米軍爆撃機が事前通告なしに飛行したことについて、「中国の防空識別圏の設定は一方的であり、いち早く撤回してもらいたいし、認められない。米国も(日本と)同じスタンスで対応している」と強調

岸田外務大臣は「東シナ海の現状を一方的に変更しようというものであり、不測の事態を招きかねない非常に危険なものだ」と中国を厳しく批判しました。

日本の尖閣諸島に対する立場

1895年1月の我が国領土への編入は,国際法上,正当に領有権を取得するもの(無主地の先占)。その後,1968年に周辺海域に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘され,1971年に中国政府及び台湾当局が領有権を主張するまで,日本以外のいずれの国・地域も領有権を主張したり,異議を述べることはなかった。(中国側が尖閣諸島を日本の領土として認識していたことを示す文書もある。)日本外務省

米国の平和主義化を見越して、中国が周辺海域や中央アジアへと影響力を拡大するために動いています。

現在のところ、金価格の動きを見ても、実際に日中戦争がすぐ起きるという程、緊迫した状態ではありません。しかし、中国が周辺諸国に圧力をかけていることは確かであり単純な話し合いや譲り合いだけで解決することは難しいでしょう。

かつてのソ連の崩壊も軍拡競争の結果、経済が崩壊したわけで、話し合いの裏では、相手から譲歩を引き出す材料が必要です。そうでない限り単純に譲ると次には更に強硬な要求が突き付けられます。

 

金投資家や金に興味のある方は、日米対中国の動向を良く見ておきましょう。

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