米国FRBの量的緩和縮小スタート時期に2013年の金相場は振り回されています。
いよいよその時期が近づいてきましたが、まるでオオカミ少年のように、オオカミが来るぞ来るぞと言われている状態を確認してみましょう。
金価格は下落傾向
2013年11月は、これまでのところ、NY・東京とも下落しています。予想通り量的緩和が重しになるとともにNY株・東京株とも上昇していることから金を買う理由が少なく、投資家にとって株を買った方が利益を得やすい状況。
エースCXオンライン(2013年11月22日):クリックすると拡大
●東京金:日足チャート 終値4048円
4000円のラインをキープできるかどうか。ボリンジャーバンドの下限に来ていますし、ここで上昇していけばチャート型としては綺麗です。
為替相場は円安傾向にあるため、金価格の下支えになる可能性がある。4000円を抜けるとさらなる下落警戒が必要。
●NY金:日足チャート 終値1244.1ドル
ボリンジャーバンドのラインに接する水準まで下げる。やや変動率拡大の傾向がある。
CFTC建玉残高は、10月末に100,236(投機玉ネット)に増加したものの11月19日には48,120まで減少。夏のもっとも減少した時点からは上回っている。
金相場はFRBの動向に注意
FRBは6月に年内にQE3を縮小し来年半ばまでに終了するシナリオを立てたものの、新興国が資金流出に見舞われたことや米景気回復が遅い・金利上昇などを理由に見送っています。
今後のFOMC開催予定
- 2013年12月17-18日 ついに縮小(テーパリング)を決断!
- 1月28-29日
- 3月18-19日 FRB議長会見
- 4月29-30日
- 6月17-18日 FRB議長会見
- 7月29-30日
- 9月16-17日 FRB議長会見
- 10月28-29日
- 12月16-17日 FRB議長会見
縮小が決まればその時の金価格次第で下落の可能性があります。すでに下落していると材料出尽くしで買い場になることも否定はできません。
2012年の産金コスト「1211ドル」からもNY金価格1200ドルは目安&抵抗線になるでしょう。しかい、積極的に買える場面とは言い難く売り場探しと予想します。
縮小開始の有力な時期と金融市場の見方
2014年3月説
2013年12月説
●1月末でバーナンキ氏からイエレン氏にFRB議長が交代するため、直前の1月は大幅な政策変更をしにくいのではないか。
●米政府の暫定予算の期限は1月15日、債務上限問題は2月7日、この二つをクリアしてから縮小するのではないか
●10月の雇用統計は良かったものの、単月で見ると判断を誤ることがある。12月6日発表の数字を見るのではないか。
10月非農業部門雇用者変化は20万4000人増加、11月も10月並に20万人超えだと12月説が再燃する?
●ハト派のイエレン氏就任で長期化の可能性、議会証言でもハト派だったが。
QE縮小の方法
現在、月400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)と月450億ドルの長期国債を購入している。
縮小は、月100億から150億ドルの購入額削減を行うとの見方。毎回引き下げていけばゼロになるまで6から8か月間かかる。
さらに、その後は景気回復動向次第で、是色金利政策の解除を行う。現在は2015年がメドで失業率6.5%まで維持するとされているものの、失業者の中で就職をあきらめている人が増えているため5.5%辺りまで目標値を引き下げる可能性もある。
為替相場と株価
日本の公的年金や欧州の年金がかなりの日本株を購入したことで株は上昇
NYダウも米景気の好調さにより上昇
日本株の上昇に合わせて為替相場も円安に、円安にもかわらず東京金は下落傾向
また、量的緩和は、インド、インドネシア、南アフリカ、ブラジルなどの新興国に大きな試練を与えます。その点でも金価格の上げ下げを見ておくと、世界の金融市場を先取りする「炭鉱のカナリア」として役立ちます。
イランと欧米など6カ国は24日未明、ジュネーブでのイラン核問題をめぐる協議で合意。イランがウラン濃縮活動を制限するお返しに経済制裁が一部緩和された。イランのロウハニ大統領は経済問題解決を進めるのか注目。
リスク後退で金や原油などが下落しています。
2013年プロ野球は、東北楽天ゴールデンイーグルスが4勝3敗で巨人を下し創設9年目で初の日本一を達成しています。田中投手の国士無双の活躍ぶりは凄まじく、金相場もあやかりたいものです。
2013年11月23日