貴金属の品位を証明するマークがホールマーク(貴金属品位証明極印)。金の真贋を見極めるための基準の一つ。
ホールマーク(貴金属品位証明極印)とは
もともとは、14世紀頃に、イギリスのナショナル・アソシエーション・オブ・ゴールドスミス=金細工師組合が、王室から特権を受けて設立した貴金属検定所(ホール)で、打刻する検定極印(マーク)のこと。金細工や流通・装飾品は大英帝国の慣習が色濃く残る分野。
その後、各国が、同様の制度を始めたために、ホールマークと呼んでいます。
日本では、造幣局に依頼すると品位証明をしてくれます
日本では、造幣局で、貴金属製品の製造又は販売をしている事業者の方々からの依頼に応じて、貴金属製品の品位試験(分析を行い、製品に含まれる貴金属の純度の割合を調べること)を行ってくれます。合格するとホールマークを刻印してくれますので、信頼度が向上します。
このマークは任意の制度として設けられています。そのため、市販されている貴金属製品にはマークのない製品もあります。しかし、貴金属の品位は目で見てわかるものではありません。信頼できるマークがあってこそ、どなたにも判別が可能となるものです。
ホールマークのデザインは、日本の造幣局の証明であることを示す日本の国旗、日の丸""と1000分率で品位(純度)を表すひし形の中の数字と、白金または白金合金を示す""からなります。(例えば、図のように""とある場合には、指輪は純度90%以上の白金製であることを示します。)K18、Pt900などの記号は造幣局の証明記号ではありません。造幣局
造幣局の説明にあるように、ホールマークは任意の制度であり、必ず、金製品に打刻されているとは限りません。国により制度が異なることにご注意ください。
英国では、同国の「Hallmarking Office (ホールマーク刻印事務局)」が打刻したホールマークのない貴金属製品は国内販売が許可されません。jetro
しかし、カラットなどの品位をはじめとした貴金属の真贋を見極めるのはプロでもムズカシイ事例があります。タングステンなどの精巧な偽物も存在しますので、金は安心・安全を重視して購入するのが一番。金価格が高騰している中、金地金を購入するリスクの一つは真贋や品位の問題ですからね。
スイスのジュネーブには、ホールマークの国際団体としてホールマーキング協議会(HMC:Hallmarking Convention)が、存在します。同協議会の品位認証マーク「MMC」を有する貴金属製品は、加盟国間(欧州各国が主体)での品質証明に利用されています。加盟国のホールマーク
アンティークジュエリーの世界では、ホールマークの刻印から多くの情報を読み取れるとして重宝。
ホールマークからは下記の事がわかります。
1 ジュエリーの産地
2 ジュエリーの年代
3 金属の品質1 ジュエリーの産地
19世紀と20世紀において、それぞれの国はそれぞれのホールマークを持っていました。ですから例えばフランスのマークはイギリス、ベルギー、オーストリア、ロシア、スイスのマークとも違っていたのです。アンティークレッスン No 7