先週は、英国の総選挙やコミ―前FBI長官証言・カタール断交など様々なリスク要因が登場して、前半の金価格は上昇。後半は1300ドルをクリアできなかったこともあり、利食い売りに押されて下落。
フィリピンのミンダナオ島においてISの武装勢力との衝突、イランのテヘランでテロが起きるなどISをはじめとするイスラム過激派との戦いは、イラク・シリアだけでなく世界各地で激化。
各金融市場の日足チャート GMOクリック証券のCFD 2017年6月11日
原油は、大きく下落してWTIが45.77ドルで終了。6/7の米エネルギー情報局の週報で、米原油在庫が前週比330万バレル増と、大きく積み増し。
ナイジェリア・リビアの原油輸出が増加。50ドルの次の節目である45ドルを維持できるかが注目ポイント。
金相場を巡る世界情勢
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英国の総選挙は、与党の保守党が第一党を維持するも過半数を失うという自爆的な結果で終りました。投票率は68.7%と前回より上昇して20年ぶりの高さ。若者の投票率が増えて労働党にプラスに働いた様子。
- 保守党:318議席(前330)
- 労働党:262議席(229)
- スコットランド民族党:35(54)
- 自由民主党:12(9)
- 民主統一党:10(8)
- その他:20(13)
コミ―前FBI長官は、6/8に議会証言を行い、トランプ大統領からフリンに対して捜査の中止を要請(希望)されたことを明かしました。今後の焦点は、大統領のコミ―氏に対する発言が司法妨害に当たるかどうか。
欧州中央銀行(ECB)は、6/8の理事会で、金融政策の維持を決定。月間600億ユーロの資産買入れを予定通りに年末まで継続。ただし、フォワードガイダンスを一部修正。「政策金利は、相当長期間、現行水準もしくはより低い水準にとどまる」から、「より低い水準」の文言を削除して、さらなる利下げの可能性を削除。2018年の買入れ終了からテーパリング・正常化に向けての準備を着々と進めている印象。
フィリピン・中東・欧州では、テロや紛争が頻発しており、不穏な世界情勢は続いています。この情勢は金価格の下支え要因たることは確か。ただ、金融市場全体が、慣れており少々の事件では株価や金投資に影響を与えなくなっています。
フランス議会の第一回投票は。マクロン大統領の「前進!」が勝つとの予想が強く、圧勝した場合には市場に安心感が広がるでしょう。英国のような拮抗状態に陥れば、フランス情勢もリスク要因になります。
インドの全国統一税率【GST】では、金の税率を3%に決定。
米国の6月FOMC
FOMCでの政策金利引き上げは、ほぼ織り込まれています。
しかし、5月米雇用統計の悪化・4月貿易赤字の増加・5月米新車販売台数のマイナスなど良くない経済指標が続いていることから、次の利上げ時期やバランスシート縮小に関する話次第で、米ドル・金価格に影響を与えます。
利上げペースの鈍化やバランスシート縮小の遅れが出てくる可能性は高まっています。米10年債金利は、2.2%と低い水準にとどまったまま。
米ゴールドマン・サックスがハイテク株に対して慎重な見方を示すなど、米株価には注目が必要。
- 米国景気に陰り
- インフレ圧力が弱い
- 投資家資金が、FB・アマゾン・アップル・マイクロソフト・アルファベット(グーグル)など一部に集中
アップルの新型アイフォンのダウンロード速度が遅いなどの話も!
NY金の日足チャート EVOCX
NY金価格は、1300ドルに届かずに利食いによって下落。RSIも下落方向。雲も薄いために、横這いのレンジ相場の様相。FOMCの結果次第で、上下に新たなトレンドが生まれる可能性あり。
東京金の日足チャート
4550円の壁で止まっての下落。東京金価格は、FOMCの結果次第でのダウントレンド入りリスクを警戒したい。
今週の注目材料
6月12日(月):機械受注、工作機械受注、米財政収支など
6月13日(火):法人企業景気予測調査、独ZEW景況感指数、FOMC、E3など
6月14日(水):中小売売上高、米小売売上高、イエレンFRB議長会見など
6月15日(木):金融政策決定会合、米鉱工業生産指数など
6月16日(金):黒田総裁会見、米住宅着工件数、米ミシガン大学消費者信頼感指数など
6月17日(土):フランス国民議会(下院)選挙などフィスコ
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