白金(プラチナ)生産の世界最大手「英アングロアメリカン」が南アフリカ共和国で減産の方針を示したこととロシアからのパラジウム供給が低下しており、供給不足になる可能性が強まっています。
英バークレイズによると2013年は、白金が約8トン、パラジウムが約19トンの供給不足に陥る見通しとのこと。
ただでさえ、中国の大気汚染で需要が増えていますので、供給不足による価格高騰の可能性が出てきています。
●2013年2月15日の商品先物の価格:最新価格もご覧ください。
白金価格:1トロイオンスあたり1693.80ドル
パラジウム価格:1トロイオンスあたり762.60ドル
アングロアメリカンと南アフリカ共和国
白金は、南アフリカで新規生産の8割を占めアングロアメリカン社がそのうちの約半分のシェアを持ちます。
・アングロアメリカンのプラチナ子会社が2012年12月期決算で63億ランド(約756億円)の赤字
・労働者のストライキで人件費が上昇
・不採算鉱山の閉山などで生産量を減らす方針
・業績悪化で閉山方針の本格化が見込まれる
ロシアのパラジウム供給が減っている
同じ白金族でより価格の安いパラジウムも不足傾向にあります。
ロシアからの供給がパラジウムの世界シェア5割近くを占めている中で、ロシア備蓄が底をついたとの見方がでています。
パラジウムの集積地スイスチューリヒの通関統計では2012年のロシアからの輸入が前年比7割近く減り1990年以降の最低水準とのことです。
今後の相場見通し
貴金属アナリストの亀井幸一郎氏の予測では、プラチナが1トロイオンス1800ドル、パラジウムが850ドルを試す見通しとのこと。
2012年10月以降のチャート(東京工業品取引所)
フジトミチャート:青線が白金、赤線がパラジウム
為替相場が円安ドル高に動いていることもありますが、両銘柄とも上昇しています。
日本の商品先物市場では、白金・パラジウムとも上場していますので、上昇を狙う・現物のヘッジを行うなどに利用することができます。
2013年2月15日