10月31日・11月1日のFOMCは、予想通りに金利を据え置き。米経済の堅調さを確認し、12月の利上げを確実視する内容。金相場は、金利上昇局面にありながらか値段を下げずに底堅い相場が続いています。
米国金利とトランプ大統領のアジア訪問が金相場の二大材料
米国政治&経済の状況は金価格の下落要因
金価格の日足チャート:GMOクリック証券のCFD
金価格は横ばい。
米国の10月雇用統計は、前月比26.1万人増加(非農業者就業者数)とハリケーンの影響で、増加が少なかった9月から大幅な伸び。失業率は4.1%まで低下。
しかし、一方で、時給の伸びは前年同月比2.4%増加と強さに勢いがなく、インフレ率が上昇していく気配は弱い。
次期FRB議長に指名されたパウエル氏は、経済成長&資産価格の上昇に対するインフレ率の低下でどのような舵取りをするのでしょうか。イエレン路線の継続ならば、緩やか利上げ路線。副議長にテイラー氏が就任するなどタカ派が増えれば、利上げスピードが上がる可能性もあります。金利が上がると金価格は下がることに。
米国は、税制改革が上手く進めば、インフラ投資に注力するというムニューシン財務長官の発言もあって、経済にポジティブな面も多い。
トラン大統領のロシアゲート疑惑は、非難の応酬合戦になっており、トランプ氏側は、ヒラリー・クリントンこそ調査すべきだと発言。
トランプ大統領のアジア訪問と北朝鮮問題
さて、そのトランプ大統領は、日本をはじめとしたアジアを訪問しており、7日から韓国、8日からは中国を訪問する。これは、多くの問題に対処するためでしょうけれど、貿易問題・北朝鮮問題・中国問題が3つの課題になります。中でも日本と米国の関係及び日本の衆議院選挙の実行は、北朝鮮を中心にした安全保障に比重が置かれていと思います。
北朝鮮の核保有問題は、すでに抜き差しならない状況になっています。北朝鮮の暴発や崩壊が、今後生じてもおかしくありません。米国側は、北朝鮮が手を出してくれればカウンターで対応する方針を固めているのか。先制攻撃を行うのかは何とも分かりません。今は、北朝鮮を経済的・外交的に追い詰めるという手を使っているように思います。太平洋戦争時のABCD包囲網と似たような印象です。
トランプ大統領は、日本で、独裁者は、米国の決意のほどを軽視してはならないと演説。
そのリスクがあるからこそ、金価格は下がらず、ビットコインの上昇は続いているような気がしてなりません。もう一つ、世界に広がる緩和バブル・株バブルの崩壊というリスクもあります。
来週は、トランプ大統領の発言及びそれに対する北朝鮮・中国・ロシアの対応に注意しましょう。
■来週の注目スケジュール
11月 6日(月):金融政策決定会合議事要旨、独製造業受注、ユーロ圏総合PMIなど
11月 7日(火):独鉱工業生産指数、ユーロ圏小売売上高、米消費者信用残高など
11月 8日(水):景気動向指数、中貿易収支、APEC閣僚会議など
11月 9日(木):機械受注、中消費者物価指数、エヌビディア決算
11月10日(金):第3次産業活動指、米ミシガン大学消費者信頼感指数などフィスコ
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