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英・欧州対ロシアの対立激化も金価格の下支え要因

2018年3月3日に、英国のイングランド南西部、ソールズベリーのショッピングセンターで起きた暗殺未遂事件のために、英国とロシアの対立が激しくなり金価格に影響を与えそう。

ロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんが毒殺されかけた問題、英国だけでなく仏独も加わり、対ロシアの対立が激化。近年、ロシアの脅威にさらされている欧州側は、こういった問題に敏感になっており、戦争・紛争リスクによる金投資需要は高くなりがち。

対立する英仏独対ロシア

セルゲイ・スクリパリ氏の暗殺未遂事件を英国のポートン・ダウン防衛科学技術研究所は、ノビチョク剤という薬剤が原因だと発表。イギリスのメイ首相は、ロシアがかかわったか毒物を流出させたとしてロシアの管理体制を非難、ロシア外交官を追放する措置をすかさず実行。ロシア側は、サッカーのW杯などがある中、こんな事件を起こす意味がないと関与を否定。

英国のジョンソン外相は、ロシアの関与を示唆して、激しい非難。このジョンソン外相は、以前よりエキセントリックな発言が多くて、英国人自身の中でも好き嫌いのある人物。さらに、メイ首相は、22-23日のEU首脳会議で、事件の概要を説明、独仏と連携して追加措置を取ると話しています。ロシアは、英国のブレグジットなど問題から目をそらすためだと自国の関与を否定し、EUが英国の反ロシアキャンペーンに乗ったことは残念としています。

何しろ、ロシアは、欧州への天然ガス供給を行うことでエネルギーというモノ質を持ち、引き続き、断固とした姿勢でウクライナに強い圧力をかけ続けています。そのため、歴史的にロシアの圧力を受けるスウェーデンは、徴兵制を行うなど、かなりの圧力を感じている模様。

パイプラインは、ブルガリアの拒否で、トルコルート建設へと計画変更。

ロシアとトルコは、シリアをめぐる緊張を脇に置き、ロシアのエネルギーの西欧への新たなルートを開くガスパイプラインに合意した。10月10日、イスタンブールでプーチンとエルドアンはトルコ・ストリーム・パイプライン建設に合意した。この合意により、ロシアがウクライナを経由せずに、ガスを欧州に送れることになる。トルコストリーム

ロシアとウクライナの対立がはじまり

ロシアによるクリミア併合(ウィキ)

ただ、ロシアのクリミア併合を機に実施された経済制裁は、効果が薄いとの話。ロシア経済にとって重要なのは、原油価格であり、地政学リスクの高まりは、原油・金価格の高止まりを生むため、狙って圧力をかけているのではないかとも勘ぐることができる。

米国の対ロシア経済制裁は、米国企業によるロシアの主要金融機関とエネルギーメジャーへの与信制限とエネルギー新技術供与停止を中心とする一連の措置からなる。欧州連合(EU)もこれに追随している。2014年7月16日の経済制裁当初から、2017年8月2日の新規経済制裁に至っている。欧米によるロシア経済制裁

さらに、米国のミサイル防衛システム(MD)の東欧配備はロシアの裏庭に手を突っ込む行為。それに対抗したロシアの新型ミサイル開発など軍事面も激しくなっているのです。

ロシアを率いるプーチン大統領は、3月18日の選挙で勝利するなど権力が強化されつつあり、原油価格の上昇による経済好調も追い風。

ロシアと米国・英国が厳しく対立することは、世界の安全を脅かす最大の要因で、冷戦復活を思わせまる。それゆえに地政学リスクに敏感な金価格は高値を維持しているのでしょう。

協力しつつも対立するロシアと欧米

欧米とロシアは、冷戦時代と違い、多くの関係で繋がっており、対話チャネルもあります。そのため、外交関係で解決できる可能性は大。しかし、ロシアの大国意識・ソ連邦崩壊の混乱と友好国の離反によるトラウマは危険なモノをはらんでいるます。そして、トランプ政権に対するロシアゲート事件。これは、米国民の潜在的なロシア脅威論を強めることになるでしょうし、ロシア人も敵国扱いされることに嫌な思いをしている人は多い。

宗教的な違い・文化的な違いから、ロシアと西欧が完全に一致することは考えにくく、協力しつつも対立する欧州とロシアの路線が最も現実的なはず。そこで、外交上手な英国が、両者を仲介するのが良いシナリオなのに、英国とロシアの対立は世界の安全保障で大きな問題をはらんでいます。

ロンドンはじめ英国には、ロシア人の移住や別宅が多いことから、経済的なつながりもあり。その分、ロシアからの亡命者・逃亡者がいるため、リトビネンコ氏の殺害事件・政商のベレゾフスキー・アブラモビッチ氏などロシア富豪とプーチン大統領との関係に振り回されてきています。反移民・難民感情や生粋の英国人減少による危機感からの欧州離れ=ブレグジットのゆくえも気になるところ。

欧州はEU・ユーロ統合という壮大な実験の最中ですが、英国離脱・ロシアの揺さぶりから、政治的なリスクが高まっており、次に経済危機が起きてしまえば、耐えられないのではないでしょうか。

 

3月26日までに、米国をはじめ世界で22か国がロシア外交官を追放するなどロシアとの対立は深まっています。ただし、追放対象は、外交官に偽装している情報機関の関係者。記事タイトルだけでなく、記事の本文を良く読まないと、実態以上に危機意識を煽られることになりますから、ご注意ください。アクセス数を稼ぐために、大手マスコミも記事内容を扇動的に書いていますからね。

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