逆イールドが現実化しつつある米国債は、金融市場の死神となるのか?

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2018年12月3日の米債券市場で、3年債利回りが2.838%。5年債利回りが2.834%と長短金利差が逆転。10年債と2年債の利回りも縮小トレンド。これを見て、株価は乱高下し、金価格は上昇しました。

ついに、景気悪化の兆しであるイールド・カーブの逆転=逆イールドが現実化しつつあります。

長短金利差の逆転(逆イールド)は、市場の死神となるのか

長短金利(債券)の利回りが逆転する逆イールド現象は、景気悪化局面で起きやすく、市場では警戒シグナルと捉えられる。先行きの警戒感から株価は下落・金相場は上昇の動きを見せました。

●GMOクリック証券の日足チャート 2018年12月6日

NY金価格は、1200ドルをキープして、1250ドルに近づいています。一方、NYダウや日経平均は、乱高下を繰り返しており、サポート&レジスタンスをどちらにブレイクするのか注目を集めるところ。商品の中でも、景気に左右されやすい白金価格は冴えずに、800ドル近辺まで下落。

市場の警戒感を示す

過去のバブル崩壊局面においても、長短金利差の逆転=逆イールドが生じており、2018年早くから、長短金利差逆転は、リセッション入りの兆候として指摘。

そもそも金利低下局面における逆イールドは「景気後退の前兆」と言われている。ただ、因果関係としては、「長短金利差が逆転するから景気が後退する」訳ではなく、「景気に悪影響を及ぼすほど、中央銀行が金融引き締めを行う」から金利差が逆転する点には注意が必要だ。クイック:イールド・カーブ

本サイトでも、2018-19年は、景気の天井となる可能性があることを指摘。

ただ、最も大事な10年債と2年債の間に、少々の差があります。しかし、12月のFOMCで利上げが行われれば、短期金利が上昇し、さらに、長短金利差が縮まるのではないかとの恐れが、市場を覆っています。米金利は、引き上げられるだろうというのが、大方の予想。10年債金利が、将来の景気悪化を見越して下がっている中で、金利を上げれば、ヤバイのではということ。

●米国の10年・5年・2年債の月足チャート:GMOクリック証券

米国の金利差チャート

イールド・カーブのチャート

長短金利差の接近・・・気になりますね。何しろ、。リーマン・ショック時と同じ現象ですから。

セントルイス地区連銀総裁のジェームズ・ブラード氏は、イールド・カーブの逆転について、FRBは過去に間違えたと告白。

ブラード氏は「私が2000年と翌年にFRBにいた頃、イールドカーブは逆転していた。そんなことには目もくれなかったが、間違いだった。(当時FRB議長だったアラン・)グリーンスパン氏は誤っていた」と指摘。「2006年にベン・バーナンキ氏が(当時の議長として)行った初期の講演の一つは、イールドカーブに関するものだった。彼もそれを軽視していたが、間違いだった」と続けた。wsj:FRBを悩ませるイールド・カーブ

バーナンキ議長は、2006年に、問題を認識していたものの、軽視した結果、サブプライムローン危機から、リーマンショックを招くという悲劇。現在のFRBは、過去の過ちから学ぶことができているのでしょうか?

ちなみに、リーマンショック時の金価格は、信用不安で買われた後に売り・・・そのあとの金融緩和で上昇。

逆イールド化による景気後退理由

さて、それでは、逆イールドの問題点と、なぜ、そのような不思議な現象が起きるのかを見ておきましょう。

金利は、短期よりも長期が高くて当たり前。長期金利の方が、インフレその他のリスクを抱えるわけですからね。

では、なぜ、逆イールドが起きるのでしょうか。

これ・・・シンプルで、将来、金利が下がると予想されているということになります。今回のケースだと、2年後よりも5年後の金利が低いと市場は読んだということ。

ということは、目先、金利上昇局面にあっても、いずれ、FRBは利下げしているという予想が支配的になったということになりますね。今より利下げしている状況とは・・・何を示しているのか・・・景気後退や株価の下落です。

◆逆イールド=逆ザヤによる銀行融資の減少

こうして、逆イールドが起こると銀行は困ります。短期市場でお金を調達(借りて)、長期金利を貸すのが、メインのビジネス。金利差が大きい程、利ざやを稼げるのに、縮まるどころか逆転すれば、儲かりません。そうなると、銀行の融資は減りますから、これまた景気悪化の要因。

これから、金融市場はかなり荒れそうです。利上げストップや緩和再開となると金価格は、大幅に上昇する可能性があります。

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