2019年は、欧州が金融正常化し、日本も続くのではというシナリオが描かれていましたが、早くもトーンダウン。それどころではなくなりました。2019年3月7日のECB理事会では、2019年の利上げを断念。貸出条件付きの長期資金供給オペ(TLTRO)を9月にスタートすると決めました。
物価は上がらず、景気は弱いということで、買われたのは金。ついに、金価格は、1300ドルを回復。
ECBの2019年3月理事会は、金融正常化ではなく逆戻りへと
- 主要な金利は据え置き。
- 保有資産の再投資は、長期間継続
- 金融機関への長期資金供給(TLTRO-Ⅲ)を2019年9月から2年満期で実行
- 金利は、現行水準を少なくとも2019年末まで継続(2021年3月)
- 債券の再投資は、主要金利を引き上げるまで行う
- 最近の経済指標は弱く。不確実になりつつ。
アリアンツのエコノミスト。ルドドビク・スプラン氏のメッセージは、辛辣かつ秀逸。フランスが消費せず、ドイツが製造しなければ、ユーロ圏は苦しむ。欧州は、米中貿易戦争の余波を受けて悪化。世界経済の重しになるリスクを抱えています。
フランス・ドイツの経済は悪化。
ユーロ圏の昨年12月の鉱工業生産は金融危機以来の大幅なペースで落ち込んだ。域内外から景気への逆風が増し、今年の成長率はわずか1%前後へと急低下する恐れがある。域内随一の経済大国ドイツすら厳しい状況だ。ブルームバーグ
イタリアはリセッション入りと欧州経済は、金融引き締め不可能な状態に。
イタリア国家統計局(ISTAT)が今月5日に発表した2018年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%減。第3・四半期に続き2四半期連続のマイナス成長となったことから、イタリアは定義上のリセッションに陥った。イタリアはリセッション入
同じように悪化している中国は、必死の緩和策で経済を下支え。それに対して、欧州は打つ手が少ない。
ECBは、量的緩和から金融正常化へと足を踏み出したばかり。2018年12月に量的緩和を終えたばかりで、利上げもまだできていない。
米国のように、金融正常化が進み、利上げをできていれば、景気を支えるために利下げをすれば良い。しかし、ECB&日銀には、金利というバッフファーがない。マイナス金利や量的緩和による資産買い入れプログラムを拡大する以外に術はなく、副作用が心配される。
ここから、景気が悪化していけば、量的緩和を始めた時から、反対派が危惧していた中銀による金融危機が起こり得るかもしれません。
量的緩和バブルの崩壊:膨らみきった債務の崩壊。金選考のシナリオ。
米ドル・ユーロ・日本円・・・リスクオフの嵐が吹き荒れても問題ないようにポジション調整必須。金価格の1300ドル台戻しの行方も気になります。金価格のレンジブレイクは、意外と早いかもしれませんね。
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