金と並ぶ貴金属「白金相場」の状況と予測です。貴金属会社が2013年5月のレポートを改めて見直してみましょう。
白金価格の予測と需給:ジョンソン・マッセイ
プラチナやパラジウムといった白金相場の需給について、最も詳しいレポートを出す会社が英国のジョンソン・マッセイです。
1817年に、Percival Norton Johnson氏によりロンドンに設立された試金・分析を行う会社です。
200年近い歴史を持っていますね。
プラチナ2013による白金価格の予測
英貴金属大手ジョンソン・マッセイ社は5月に公表した「プラチナ 2013」で、今後6カ月間の白金価格見通しを1415~1710ドル、平均1570ドルと予測しています。
しかし、白金相場も金価格の暴落と時を同じくして下落に転じており、7月19日時点で1400ドル台で推移しています。
●NY白金の月足チャート:エースCXオンライン
次に白金価格を左右する需給がどうなっているのかを見てみましょう。
●白金の供給(青線)と需要(赤線)グラフ
下記のグラフを見るとリーマンショック後に大きく需要が落ち込んでいることと、全般的に下がりつつある供給の中で2012年に大きく落ち込んでいることが見て取れます。
この2012年の減少は、南アフリカの生産量が大きく減少したことが理由。
2012年のプラチナ需給は375,000オンス(約11.7トン)の供給不足です。
主な要因は上記のグラフのように南アの生産高の急激な減少。2011年の4,860,000オンスから12年は4,095,000オンスへと約16%の減少になっています。
プラチナ鉱山全体の生産量も13%減って5,640,000オンスと、過去10年間で最小です。
用途別の需要について
●自動車触媒分野の需要合計は1.7%増加して3,240,000オンス
●世界のプラチナ宝飾需要は12%改善され、2,780,000オンス
●投資需要455,000オンス
●工業用需要は21%の大幅減少で1,570,000オンス
●白金の需給全体の数字
ロシアと南アフリカで生産量の大部分を占める上に、工業用途が多いことから金相場と白金相場の変動要因は少し違います。