欧州中銀は自国への金移送計画を実行中:理由はユーロ不信やテロを警戒

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欧州各国の中銀は、金を国外保管から、自国保管に切り替えを行っている。これまで、中央銀行が金準備として積み立てている分は、NY連銀の地下に保管しておくことが通例。日経新聞によると、2012年時点で53万本の金塊、重さは約6700トン。金価格が高騰すればするほど、資産価値は途方もなく上昇。

金塊情報


欧州中銀の金移送計画あらまし

2014年以降、NY連銀の保管庫から金引出が始まる。

  • ドイツ:NYから85トンを回収し、2020年末までに300トンを移送。
  • オーストリア:英国で管理する110トンを自国保管する予定
  • オランダ:NYから122トンを回収

日銀は、現在のところ、金保管や移送に関する計画を明らかにしていない。

金を自国保管に切り替える理由

金移送ブームについて、ユーロの先行き不透明感や、イスラム国を巡るテロ警戒を上げることは大きい。米同時多発テロでは、世界貿易センタービルの地下に8トンの金塊が保管されていた。

ただし、NY連銀の地下であろうが、自国保管であろうがテロの脅威は変わらない。それこそ自国保管及び金移送中の強奪リスクの方が上ではないかと思えてしまう。

もう一つの理由として、多極化しつつある世界情勢の中で、米国はじめ他国に金を置いておくのは人質ならぬ「金質」になってしまうこと。米国依存や他国依存の不安・リスクから自立の道を進む一つの方向性という理由の方がしっくり来る。

オーストリア中銀のノボトニー総裁は、国内の金保有を増やすのは、独連銀など主要中銀の動きに沿ったものと説明。英国の欧州連合(EU)離脱をにらんだ計画ではないと話す。

オーストリア中銀は現在280トンの金準備のうち80%を英国で、17%をオーストリア国内、3%をスイスで保管しているが、2020年までに英国での保有を30%に減らし、国内を50%、スイスは20%に引き上げる方針を示した。ロイター

おなじみ豊島逸夫氏は、2013年にドイツが金を本国に移送する理由について、ドイツがギリシャを切り捨てた時に、スペインなどに火が及ばないように防壁の役割を果たしたいとの意向と読んでいる。それから、2年近くが経過し、ギリシャ問題は収まらない。もしかしたら、ギリシャのユーロ離脱からユーロ高・ユーロ混乱時のセーフティネットとして金が使われるかもしれない。

中央銀行が金を保有する理由として、「外為市場介入用の資金源であり、必要な時に最も迅速に現金化するには、一部をニューヨーク・ロンドンなどの主要金融市場に保管しておくことが重要」「公的に金を保有することで『心理的な安心感』が醸成され、通貨価値の安定に資する」と述べている。独の「金塊」3兆円、本国輸送の真相

しかし、これだけの金塊が動くと、治安の悪い国が多い欧州では、ルパン三世のような怪盗出没するかもしれません。映画やマンガのような金塊強奪計画もあちこちで練られているかもしれませんね。金価格の行方を占う上で、やはり金の価値が厳然と存在することが分かる情報でした。