南アの与党(ANC党首選)は、ずぶずぶのズマ氏敗れて、ラマポーザ副大統領選ばれる

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南アフリカの与党、アフリカ民族会議(ANC)の新党首を決める投票で、シリル・ラマポーザ副大統領が選ばれました。市場は安心して南アフリカランドは上昇。以前からお伝えしているように、この件は、金価格に大きな影響は与えていません。政治混乱で南アフリカの格付け引下げ


ズマ大統領からラマポーザ副大統領にチェンジ

現職のズマ大統領はスキャンダルにまみれており、インド出身の富豪「グプタ家」との癒着は、ANC自体の支持を揺らがすと不安視されていました。ズマ大統領側は、汚職を隠すために、ドラミニ・ズマ氏を擁立しましたが、ラマポーザ副大統領が勝利したことで、次期大統領は、ズマ氏よりは、安定した政権運営を行うのではとの期待が高まっています。

しかし、ラマポーザ氏が、大統領になって、すぐに南アフリカが抱える課題が解決できるとは限りません。

高い失業率・白人と黒人の融和・富の分配:格差は確かに悪いものながら、社会主義・共産主義的政策を打ち出して格差解決を打ち出した政権は、ソ連・ジンバブエ・ベネズエラと失敗に終わっています。ラマポーザ氏は、資本主義的政策と格差縮小を両立させながら、南アフリカにはびこる縁故主義を減らさなければいけません。これは、簡単な課題ではないでしょう。

元々、ANCは、左派的な性格を持つ政権で、公務員を増やし過ぎてしまいました。

ANCが政権与党として過去23年間でなし遂げた大きな経済的成果は、主に黒人の権利拡大政策と公共部門の雇用によって比較的薄い黒人中間層を生み出したことと、現在1700万人の国民が依存している所得補助金の形で富の一部を再分配したことだ。 経済協力開発機構(OECD)の最近の調査研究は、後者のコストを示している。公務員の賃金は南アの国内総生産(GDP)の14%を吸い上げているのだ(これに対し、チリは6%強)。JBPRESS

ラマポーザ大統領と金価格及びプラチナ

JPモルガンのアナリストは、金価格及びプラチナの下落をロイターで予想

それでも多くの関係者は、市場の反応が行き過ぎだと認める。JPモルガンのアナリスト陣は、南アフリカの主要輸出品である金とプラチナの相場軟化や他の新興市場国通貨の最近の値動きに基づき、ランドは9─11%「割高化」したと分析している。ラッド氏によると、南アフリカにはギガバ財務相が10月に表明した巨額の財政赤字問題が引き続き存在しており、ラマポーザ氏は事態を一変させる要素(ゲームチェンジャー)ではないという。南アフリカは浮かれ過ぎ

◆南アフリカの財政収支推移 世界経済のネタ帳

財政赤字

南アフリカの財政収支は悪化しており、すぐに対処しなければいけないところ。ズマ大統領の任期は2019年までで、いつ大統領がラマポーザ氏になるかも注目。

金投資には、影響力の減った南アフリカですが、2018年は、新興国経済の復調も期待されています。もしかしたら、政権交代が吉と出て、劇的な回復を遂げるかもしれません。

ラマポーザ大統領は、元ビジネスマンであり、ビジネス有利な政治を行うのではないかと市場は期待していました。ところが、彼が進めている政策は、ビジネス重視どころか逆方向。

白人の土地を収用するとラマポーザ副大統領が演説

金融市場の安心感に冷や水を浴びせるかのようにラマポーザさんがやりました。

ANCの党大会(12/21)で、黒人の貧困解消策として、少数派白人が所有する土地を収用。補償金も払わないとの方針を表明。おそらく黒人に再分配するものと考えられています。経済や農業に悪影響を与えないようにする。・・・無理でしょう。ジンバブエと同じことをするのでしょうか?

ジンバブエのファストトラックでは、2%程の白人が、農耕地の約8割を独占。ムガベ大統領の白人土地収用=ファストトラックによって、ジンバブエにハイパーインフレを引き起こしました。しかし、白人が没落し、黒人の生活が向上したのだとすれば、南アフリカで同じ事が起きるリスクは捨てられません。

現在の世界報道は、白人所有の大農地を強制収用したこと=ファスト・トラックが、ジンバブエを最悪の国家に落とし、皆を貧しくしたように書かれているが、現実は、白人が裕福な生活を享受する裏で、元々の原住民である黒人は、白人が用意した小さな敷地に押し込められ飢えていた。つまり、悪名高いファスト・トラック以前から、侵略者である白人から収奪されて黒人は飢えていたのであり、ファスト・トラック以前の高いGDPは、わずか2%の白人のものだった。ジンバブエのファストトラック

南アフリカは、黒人79%、白人9.6%ですから、民主的な選挙をすると黒人有利の結果になります。

ラマポーザ氏は、2018年2月に大統領に就任後も白人の土地を収用する路線を変えていません。そのため、格付け会社ムーディーズやS&Pは、南アフリカの先行きに不安を感じており、格付けは低いまま。南アフリカランドも低いレベルでの動き。

鉱山憲章も新たな内容に変更しようとしています。その内容は、黒人及び地元企業を優遇するもので、南アフリカ全体が、黒人優遇の逆差別に向いている様子。

金の生産量こそ減っているもののプラチナの生産量は大であることから、鉱山の生産に打撃を与える施策が実行されれば、低迷しているプラチナ価格を上昇させる可能性があります。アフリカ全土に、同様の動きが起きない限り、金価格には、大きな影響はないでしょう。

金投資家・南アフリカランド投資家は、ラマポーザ大統領就任後の南アフリカ情勢を見守っていますが、この白人土地収用問題、補償なしで解決することは無理でしょう。もし、上手に収容できれば、世界中で逆差別、または同様の土地問題が生じます。そして、金鉱山などの利権も白人から黒人に返せ・・・となったら大混乱に陥ります。