商品先物市場は、金買戻しの動きと金ETFからの資金流出が一段落ました。今回は、CFTCの建玉明細について、最新のデータを知る方法や分かりやすい用語説明を行います。
投資家がどのようなポジションを保有しているかの参考になりますから覚えてくださいね。
CFTCの建玉明細:NY金価格
米国のCFTCが集計する大口投機玉の買い越し残高は、8/20時点で60,396枚と3週連続の増加。
7/16時点に16,557枚まで減少後に増加傾向。NY金価格は、買い越し残高増加に合わせて上昇傾向。
エース交易(CX)が作成したCFTCの大口投機玉の買い越し残高と金価格の関係です。
【上昇局面は買い越しが増え下降局面だと減少する】相関関係の強さを見ることができます。
最新のCFTC建玉明細を見る方法
データは、商品先物取引会社のアップを待つか直接、CFTC(英語)のサイトで確認するかのどちらかが便利。
CFTC建玉報告:米商品先物取引委員会(CFTC)が集計する建玉明細。現地時間で毎週火曜日の取引終了後に報告されたポジションが、週末金曜日の取引終了後に発表。
●CFTC建玉明細の推移:第一商品
こちらは、日本語で分かりやすく掲載されますので、初めての方でも分かりやすいと思います。
●CFTCのウェブサイト:英語で見る方法
金先物の建玉状況をすぐに確認したい場合、ウェブサイト中ほどにある「Metals and Other」を確認します。
金(ゴールド)以外にもパラジウム・白金(プラチナ)・銀(シルバー)等、コモディティの中で貴金属系の取引が含まれています。
◆実際のCFTC建玉明細の事例
2013年8月20日のデータ:単位は100トロイオンス
●総取組高:38万5,410枚
●大口投機玉:買い=15万1,340枚、売り=90,952枚、
ネット(買-売)=60,396枚
主なCFTC建玉明細の用語説明
英語で表示されているので、重要なキーワードについて日本語訳を掲載しておきます。
Reportable Positions:大口の報告必要ポジション
Nonreportable Positions:小口の報告不要ポジション
OpenInterest:総取組高
Producer/Merchant/Processor/User:生産者・流通業者・加工業者・需要家(当業者)
Swap Dealers:スワップディーラー
Managed Money:資金運用業者
Other Reportables:その他の業者
Long:買い、Short:売り
資金運用業者とその他の業者の数字を足し合わせて大口投機玉の数字になります。
以前は、当業者を【商業筋:Commercial】、そして投機玉を【非商業筋:Non-Commercial】の2つに分けていましたが、2009年からより詳細な分類方法にCFTCは変更を行いました。
大口投機玉と金相場予測
特に大口投機玉=ファンドのポジション動向は金相場予測の上で特に注目されています。
買い玉が多いということは、ファンドは、今後の相場上昇を予測して買いに回っていることを意味。
ところが、その場合、ファンドは、最終的に買い玉を値上がりした時点で売りに出して利益を確定しなければいけません。それが利益確定売りと呼ばれている売りで、買い玉が増えすぎた場合には、小さな材料でも利益確定の売りが出て金価格が下がることがあります。
★金先物にファンドの買いが多い=上昇を予想している⇒いつか決済の売りが出るというパターン!
このCFTC建玉明細は、金など貴金属以外にも原油・通貨・日経先物など商品取引所で取引される先物のデータが公表されています。