福岡博多で起きた3.8億円強盗事件。早速、福岡空港から飛び立とうとしていた男が逮捕されています。真犯人かどうか取り調べはこれからになりますが、いろいろと事件の目的が気になります。(2017年4月20日の事件)
そもそも、このお金は金塊を買い付ける目的で引き出したと被害者は話しています。しかし、普通に考えて3億8400万円もの現金を引き出して金塊を買うものでしょうか。現金紙幣の重さだけで約40kg。それを足立区から出張した社員一人で運搬して金取引を行う。謎ですね。
度々起こる福岡での現金&金塊強盗事件
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あっさり、容疑者が逮捕されたことを含めて謎の多い事件。一人で3億円以上のお金を持ち運ぶなんてセキュリティーが甘すぎます。その理由は・・・
通報した被害者の男性会社員(29)=東京都足立区=が県警に説明した内容によると、襲われたのは20日午後0時25分ごろ。みずほ銀行福岡支店(福岡市中央区天神1丁目)で3億8400万円を引き出し、黒色のスーツケースに入れて店外に出たところで、催涙スプレーをかけられケースを奪われた。
奪ったのは3人組 朝日新聞デジタル
被害者の行動は、強盗側に筒抜けで駐車場で待ち伏せされていたということです。取引関係者が関与している可能性が高いということになりますね。また、以前にも福岡で強奪事件が起きており、この時は、約6億円の金塊(約160kg)が奪われています。2016年7月の金塊強奪事件のあらましは以下。
事件があったのは、JR博多駅近くの貴金属店が入るビルの入り口付近。 昨年7月上旬の午前、金塊を売るために店に持ち込もうとしていた被害男性らの前に、警察官の服装をした数人の男が現れた。「密輸品なのは分かっているんだぞ」などと言いながら、金塊の入ったケース5個を調べ、男性らが目を離したすきに車に積んで逃げた。
金塊は被害男性らが転売目的で事件前日に山口県内で購入したものだった。実際に密輸品だったかは分かっていない。県警は、犯行グループが金塊の売買を事前に把握し、周到に準備をしていた可能性があるとみている。朝日新聞
ここで、キーワードが出てきました。強盗団は、警官を装い、密輸品の調査を行う名目で被害者に近づいています。詳細は明らかになっていなものの盗まれた金は密輸品だった可能性があります!
2017年5月22日に、愛知県の男6人に逮捕状が出て、金塊強奪事件の全容が解明されそうです。事件から一週間で、約4億円強の金塊が貴金属店で換金。東京都内の貴金属店も家宅捜索。
そうなると、今回の金塊買付も密輸に絡んだ可能性が指摘されそうです。
金を密輸すると消費税分が儲かる
正規のルートで金を輸入した場合、購入額が20万円を超えると8%の消費税がかかります。ところが、税関を通さずに密輸すると8%の消費税がかかりません。金価格が変わらなければ、海外で購入&密輸し国内で売るだけで8%分の利益が出ます
金額が大きいと8%と言えどもかなりの利益になります。3.8億円の8%は約3千万円になりますから、旅費その他の費用を賄ってもおつりが出るレベル。消費税が5から8%に上がってから、金の密輸は増えているというデータがあります。
香港や韓国からの密輸が多い関係から、福岡博多は地理的に近く交通の便も良いことから立地的に有利。九州の中核都市である博多と空港も近く非合法組織も多いため、金塊の仕入れ・売りさばきが便利というメリットもあり。
金の密輸は、上手くすれば、金価格の上昇&消費税のダブルで利益がでます。金価格が下がれば、マイナスながら8%のバッファーがあるために損をするリスクは少ない非合法ビジネス。金投資家の視点からは、この可能性が高いのかなと思います。
もちろん、この事件の背景にあるのは、金の密輸などとは関係ない不動産などの取引その他の可能性もあります。金の密輸に関連しているかどうかなどはまだ何も分かっていません。警察の捜査を待ちましょう。
最初に容疑者だった人は、この件とは関係なかった様子です。
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