元ワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表で金投資の専門家である「豊島逸夫(としまいつお)氏」が2013年の金価格について予想を行っています。
目次
2013年のドル建て金価格は下落傾向
欧米の金価格はドル建てで1トロイオンスあたりの値段を表示。2011年に史上最高値となる1923ドルをつけた後は、下落傾向が続き1570ドル前後。
その後、2013年4月に金価格の暴落がありました。豊島逸夫氏も暴落を見て予想を下向きに修正。米国の量的緩和縮小の影響大。
NY金価格:2013年2月21日
金価格下落の理由
・ユーロ危機が一段落し、リスクオフ(リスク回避)からリスクオン(リスク選好)の流れが起き、株式などへと資産が動いた。
・FOMC(米連邦公開市場委員会)で金融緩和の継続反対派が増えている。
・米国金利が上昇すれば金利がつかない金は売られる。
・FRBが金融緩和を終了し引き締めに回れば国際金価格は下落する。
豊島逸夫氏の予測は1500ドルが底値!
それでは、金価格はどうなるのでしょうか?豊島氏は、1500ドル台が底値圏になると見ています。
金価格の長期推移を見ると上昇傾向が続きながら、最近は横ばい傾向です。
金価格が底入れする理由
●金の需要面
・米国経済が回復すれば中国・インドなど新興国経済が回復する。
・中国・インドという金の二大需要国の経済が回復すれば金の需要は増える。
・新興国が外貨準備高としてドルやユーロから金にシフトしている
・中央銀行が金の売り越しから買い越しに転じている
●金の供給面
・過去12年間で国際金価格が6.5倍に上がったのに、年間金生産量が10%程度しか増えていない
・採掘コストが安い金鉱山の枯渇
インドと中国の需要
・インドは、ブライダル需要が大きく、花嫁にその父が持参金として金(ゴールド)をもたせます。インドは花嫁にどれだけ多くの金や金装飾品を持たせられるかが嫁としての待遇を左右します。
・中国は政権交代のたびに、前王朝を否定することを繰り返してきたことから、紙幣などの通貨に信用をおいていません。しかも金投資において段階的に自由化されていますので、まだまだ金が行き渡っていないと見ることもできます。
豊島氏のオススメ金投資スタイル
長期的な金価格は右肩上がりの可能性が高いが短期的な動向は読みにくい。
ポートフォリオの10%程度にとどめておき、資産運用の主役は株や債券がオススメとのことです。
「2013年は株で攻め金で守る」をキーワードに株と金の二者択一ではなく、株と金でリスク分散を図ることが賢明。