リアルタイムの金価格や予想・金投資のノウハウを紹介します。世界で人気の純金積立や投資信託の方法。さらに、今後の見通しを徹底的に解説いたします。

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金価格の変動要因はこれだ!世界情勢で動く

金は、「通貨」と「コモディティ(商品)の二つの面を持ちます。そのため。金価格の変動要因は、世界の経済・政治情勢の影響が大。

本記事は、過去の長期推移現在価格を見ながらお読みください。

通貨としては、ドルや円と同じく、各国の金融政策や物価、他の通貨の上昇や下落、投資家のリスク許容(リスクオン)状況、国際的な政治・経済情勢が関係します。

コモディティとしては、鉱山会社の生産量や全体的な供給量、宝飾品の需要などが価格の変動要因となります。

どのような要因で価格が動くのか項目ごとに見ていきます。

金価格の変動要因はこれ

二つの面を持つ金(ゴールド)の価格変動の要因は以下の通り。

金価格の変動要因

通貨としてのリスク回避需要

世界的な経済危機や戦争・紛争などで通貨への信頼が揺らげば金投資の需要は増加。米国で何か問題が起きるとドルからユーロや円に資産が移動し、その逃避先の一つとして金は選択肢。米ドルやユーロが下落すると金が上昇しやすいのはこれが理由。

特に、米ドルの動きは、大きな変動要因。米ドル下落=金価格上昇がセオリー。

金は、どこかの国の政府が発行しているわけではなく、国が破たんしても、国債や紙幣のように、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクがありません。

近年、金価格が急激に上昇した要因の一つは、サブプライムローン危機から始まり、リーマンショック・欧州債務危機などの世界全体で発生した経済危機の影響で資金が動いたことが理由。

為替変動と金

為替変動による国内金価格

通貨としての金は、ドル・円・ユーロと同じ感覚で取引できます。そして、日本国内の金価格は為替変動の影響を大きく受けます。

世界の金価格は、1トロイオンス/ドルで取引され、日本は1g/円で取引されるため、国内価格に換算するとドル/円相場次第で価格が上下します。

つまり、ドル高円安に動くと国内金価格は下がり、ドル安円高に動くと国内金価格は上がります。

インフレ懸念

インフレ(物価上昇)も金価格の上昇要因です。景気が良くなり不動産や株式・商品の価格が上昇していくと、インフレへの備えとして資産の一部を金投資に回す動きが生じます。

インフレは物価が上がり通貨の価値が下がる現象ですから、お金を現金で保有するより不動産や原油・株式で保有した方が有利。不動産や原油で保有するのは大変ですから、換金しやすい・少額投資が可能などメリットの多い金の保有が増えるのです。

最近は、あらゆる資産の保有がデジタル化しているので、収益性が重視されて、インフレ時に金が安くなることもあります。

世界的な金融緩和・金利動向

リーマンショックに続く金融危機で各国の中央銀行は、金融緩和を行い、低金利政策とお金を市場に大量供給する金融政策をを行い、市場に凄まじいマネーが出回る状態になりました。バーナンキFRB議長は、危機からの脱出手段として、ヘリコプターからお金をばら撒くという話すらしたほど。

ところが、米国や欧州・日本といった購買力の高い国が不況でモノを買わないため、余ったお金は設備投資ではなく、国債などの安全資産や金・原油といったコモディティ市場にも入っています。

金には金利がつかないため、金利水準に敏感。金利が上がれば、金利の付かない資産である金投資の魅力は下がり、他の収益資産へとマネーは移動。

そのため、低金利は、金価格の下支え要因。中央銀行の金融政策、特に米国のFRBによる金利の上げ下げは、変動要因として大きな影響があります。

中央銀行の金売買

国の通貨を支える中央銀行は、外貨準備として自国の通貨以外のお金を保有します。ドルやユーロ(米国債などの国債)などとともに金も外貨準備の一つとして保有されています。

以前は、欧州の中央銀行を中心に保有している金を売却する流れがあり、公的保有金を売り出すことで金価格が下落していました。これを防ぐためにワシントン協定が制定されたほど。

現在は、金を購入する方が多く、特にインドや中国など新興国は、保有量を増やしています。

中央銀行

中国やインドの金需要増加

中国とインドは、金需要が大きく、宝飾品では世界全体の半分を占めています。

インドは、結婚式のブライダル需要として金が求められ、中国では通貨や不動産への信用不足から金投資のニーズが強い。

そのため、中国やインドの景気が良くなると金への需要も増加します。

投資マネーによる金投資

欧米の機関投資家やヘッジファンドは、分散投資・リスクヘッジの用途として、金を保有したり、金融商品としての金投資を行います。

特に、先進国の経済成長が頭打ちとなり、株価の停滞・金利低下かつ新興国の経済成長が不安定な状況では、金の需要が増えて価格が上昇。逆に先進国・新興国とも景気が良く、株式投資や債券投資で十分に収益が上がる局面では金投資への需要は減り価格が下落します。

投資マネーと金

金鉱山の生産

鉱山からの金生産量は減っています。鉱石に含まれる金が多い・浅くて掘りやすいなど良質な金鉱山は掘り尽くしてしまい、掘りにくい鉱山からの生産が増えています。

また、新興国の経済成長により金鉱山の生産コストは上昇傾向。金鉱山のストライキ・コスト上昇・生産量減少は金価格の上昇要因となり、生産量増加は下落要因です。

戦争・紛争・政治情勢というリスク

有事の金と言われるように、紛争や戦争が起きる・起きそうな情勢だと金価格は上昇し、世界が安定・平和な情勢には価格は下落します。

米・ソ冷戦時代が終了し、世界が安定化した時代は金価格が下落していき、その後に経済危機や国家間の争いが増えた時期に価格が上昇する傾向があります。地域紛争が増えたことで地域紛争の可能性を地政学リスクという言い方で表現。

世界情勢と金

金リサイクルの増加

金鉱山から掘り出す金以外に、リサイクルとして金スクラップからの供給が増えています。金は石油のように燃えてなくなるものではなく、電子機器に組み込まれた貴金属やレアメタルを再利用することができます。この金を都市鉱山と呼び日本には、廃棄された携帯電話やパソコンなど豊富な金資源を持っています。

IMFの金売却

IMF(世界通貨基金)は、大量の金を保有しています。

2012年8月中旬の時点で、IMF(は9,050万オンス(2,814.1メトリックトン)の金を保有しており、ときおり、IMFが保有する金を売却することがあります。

もちろん、IMFによる市場での売却は金価格の下落要因です。

都市と金

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