新型コロナウイルスによるパンデミックは、財政出動&量的緩和という金余りを生み出しました。史上でもまれに見るバブルを生み出してしまいそうです。砂上の楼閣的な危うさから、株高・金高というトレンドは、いつまで続くのでしょうか。
●金・銀・株価の日足チャート:2020年6月5日 GMOクリック証券のCFD
コロナウイルスで、甚大な被害が出ているブラジル株まで上昇。人種問題も浮上している米株も上昇と、ファンダメンタルから乖離した株価の上昇。
実体経済とかけ離れた株価上昇:コロナバブル
ここまで、株価が上がっている理由は、シンプル。財政健全化などそっちのけで、財政出動&量的緩和を行っているからです。金融市場では、ロイターなどがコロナバブルと呼んでいます。
アングル:市場にコロナバブルの声、実体経済と乖離 過剰流動性相場 https://t.co/KZxIV6nr8b
— ロイター (@ReutersJapan) May 25, 2020
大量のお金を市場にばらまいたことで、お金が余っています。一方、コロナ後の世界は、十分に需要が回復していません。そのため、行き場を失ったお金が、株式やゴールドに流れ込んでいるのです。実際、バルチック海運指数などは、まだ、回復していません。
【超重要】
先行指標「バルチック海運指数」
リーマンショックやチャイナショック時並みに低迷してます📉
世界の商社等から石炭や穀物等を運搬する際の船運賃を基に算出。
経済の好不調は「貿易」の好不調に表れ世界経済の動きに2カ月先行すると言われてます。
現在の株価上昇は騙しか⁉️⁉️ pic.twitter.com/vcTUZGbBjr
— take (@take82590359) June 3, 2020
コロナバブルによるMMTで、株価上昇
結局、議論はされていたものの、副作用が大きくて、実現しにくいと考えられていたMMT理論が始まったと考えていいと思います。今井雅人氏も、MMTを実行すれば、次の危機時にも、同じくバラマキをしなければいけないと指摘しています。金融市場が崩れそうになれば、元の木阿弥にしないためにも、バラマキをするだろうということですね。
なぜなら今、世界中で実質的な「MMT(現代貨幣理論)」の社会実験をしているからです。 「MMT」というのは、とても簡単に言えば、自国通貨で借金ができる国は、どれだけ借金をしても中央銀行がお金を刷って埋めてしまえば問題ないという、ちょっと今までの常識ではあり得ないようなことを言っている理論です。 この理論には、そんなバラ色な話があるか! と否定する意見が非常に多かったのですが、今回のコロナ対策で、世界各国は大量の財政出動をして、景気を支えるということをしています。ザイ:コロナバブル
MMTが成功すれば、それこそ、税金なんていりません。いくらでも財政出動しすればいいのです。でも、そんなことが永遠に続くのでしょうか。通貨制度の崩壊をはじめとした痛烈なしっぺ返しを食らうのではないかという考えから、ゴールドだけでなく、シルバーの買いにもつながっているのだと思います。
●米10年債と株価
じわりと米10年金利は上昇。実体経済が悪化している中、金利上昇に株価は耐えられるのでしょうか。そうなると、金利を抑えるために、中央銀行が、出動することになります。いつまでも、それを繰り返して、本当に大丈夫かと心配になります。金利上昇・株価上昇の最中、金は上がりにくいはず。それでも、上昇しているのは、金融市場の危険を知らせるカナリアだから。
米国株はさながらコロナバブル。悪化する実体経済との温度差が更に顕在化。中小企業向け救済融資マネーまでナスダックに流入。FRBの社債購入も未だ始まっていないが、期待感で株が買われる。クオモNY知事が定例記者会見で部分的経済再開語り直後にダウ下げ幅縮小。今や頻繁に株価動かす人物だ。
— 豊島逸夫 (@jefftoshima) May 11, 2020
今の状況は、1968年に似ているという意見もありました。ニューヨークのヘッジファンドで働くBig Daddy氏の分析です。1968年は、キング牧師の暗殺・ベトナム戦争の激化やニクソン大統領の大統領選挙の年。そして、香港風邪によるパンデミック。
そして、この年は香港風邪(H3N2)がパンデミックを起こし、10万人の米国人の命を奪ったことも忘れてはいけない。では、1968年のマーケットはどう動いたか。
この年は1月から3月にかけてS&Pは9%下落した。しかし、その後、市場は底値から24%もラリーし、結局その年は+7.6%で引けたのだ。1968年との相似
人々と経済が傷つきながら、株式が上昇するというのは、不幸な組み合わせ。資産格差の広がりによる社会不安も心配な情勢です。
逆に、マーク・ファーバー氏は、資産インフレの終わりを指摘しています。
1980年から今日までの株価・債券価格を見れば、すべての資産価格は大きく動いた。
この資産インフレが終わりを迎えるかもしれない。
問題は、今後10年間でどの資産クラスが将来最も良いかではなく、どうすれば最も失う金額が小さくて済むかだろう。https://t.co/lw6Iwokcad
by #マーク・ファーバー(2— FP Bot (@FPBot5) June 5, 2020
1980年から、40年続いた資産インフレが終わりを迎えるかもしれないと指摘。新興国市場は、2015年にピークをつけてから、弱気相場に入っている。そして、彼が、興味を持っているのは、貴金属市場。年金基金は、何十万ドルものFAANG株を保有しているのに、金を1%も保有していないとの説明。
もし、世界的な年金基金達が、資産インフレや通貨危機を警戒して、金を保有するようになれば、金価格は、大幅に上昇することになるでしょう。
これまで、株式市場が、上昇する資産インフレ時には、金価格が下落するのがセオリーでした。しかし、新型コロナ後に、起きているのは、緩和マネーによる過剰流動性による株買い。いつ終わるかわからない舞踏会へのリスクヘッジで、金も買われています。
資産インフレについてツイッターでの声
Nasdaqは
年初来4.28%上昇
史上最高値から3.42%下落
コロナの底から43.59%上昇資産インフレ来てんねw pic.twitter.com/2vYlDUmWgI
— fugasan (@fugasansan) May 30, 2020
過剰流動性相場は過去にも何度かありましたが、新型コロナによる過去の例にない財政支援を各国中央銀行が行ったことにより、過剰流動性相場も過去の事例に考えられないレベルの想定まで膨れ上がりそうです。確実に資産インフレが起こっていると言えるでしょう。https://t.co/LYm3HPadHU
— ホロスバード (@Holos_Bird) June 5, 2020
欧米の金融財政バズーカは止まらない。資産インフレは続く。
「トランプ米政権、次回経済対策は最大1兆ドル規模と想定」https://t.co/WkazLC4dUQ
— specialweek (@specialweek66) June 4, 2020
必読のスレッド
わたしの現状認識とまったくおなじ
・資産インフレ、実態経済はデフレ、必需品はインフレ
・ヘリコプターマネーはもう不可避になってる
・なぜBitcoinが必要か? https://t.co/LBpjnbW0b8— 安下 真貴 (@yasushetamarki) June 3, 2020
株式市場の活況を見るとやはり金融緩和と財政出動で資産インフレを起こせば可処分所得も増えるし実体経済も金融次第で復活出来そうなことがバレたな、増税で苦しめる必要なんか最初からなかったのだよ
— ろんぐて〜る (@rongtail) May 30, 2020
Metals Focus のNikos Kavalisは今年後半のゴールドのレンジとして1600-1900ドルとしました。年末にかけて1900ドル、歴史的高値に近づくと。シルバーは21ドルターゲット。#gold #silver #SBMA
— Bruce Ikemizu (@BruceIkeGold) June 5, 2020
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