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SKR(金担保証券)で、幽霊マネーが増えれば、いつか来た道に!

ゴールドを使った錬金術に、「SKR:金担保証券」というものがあり、これによって、世界中のお金が増加しているということを「猫組長」が、「ヤクザとオイルマネー」という著書で紹介してくれています。

SKR:金担保証券が、幽霊マネーと化している

リーマンショックの時も不動産を担保にした証券を大量に発行し、玉石混交にしたものを高い格付けで販売していたことが問題になりました。このSKRを利用したお金の増やし方も、度が過ぎれば、バブルの原資になりかねない。

SKR:金担保証券も、普通に使えば便利な金融商品の技術。金地金10kgに対して、10kgの証券を発行する限りにおいては問題ありません。しかしながら、10kgに対して、100kgを発行すれば、これは問題です。90kg分は水増し。こういったことがあちこちで起これば、金地金の持ち主が、返金してくれと言っても返すゴールドがなくなります。

そのため、ジェフリー・ガンドラック氏をはじめ、金の現物を持たないペーパーゴールドに対して、警告を発しています。

猫組長の語るペーパーゴールドのSKR

世界中の富豪が持つゴールドは、現物で保有しているといっても、金塊をそのまま保有しているのではありません。倉庫に保管するのが通例です。その倉庫を「セーフキーピングハウス」と呼んでいます。

そして、金を売買する時は、金地金自体を動かすのは面倒だしリスクが大きいため、SKR=金担保証券(Safe Keeping Receipt)だけを動かす。

そして、銀行は、預かっている1トンの金地金を担保に10トンくらいのSKRを作って貸し出すというビジネスを行います。

一応、全員が利益を得られるスキーム。

  • SKRをリースで貸し出す=レシプト
  • 金の所有者=リース料をもらえる
  • 銀行は仲介手数料を得られる

富裕層は、資産を銀行にあずけて、リース料を得る

こうして、世界中の富裕層は、資産を銀行にあずけてリース料を貰うということになりますね。それを安全に管理する銀行の役目は重大。銀行もどんどん儲けようと思えば、預かった資産を証券化して貸し出すことになります。それを規制するために、自己資本規制比率というのが設けられているわけなんですけどね。

100億円くらいのSKRのリース料は、年間10%程度。リースしたSKRをオフショアのファンドに組み込んでもらうのがパターン。

世界の富裕層というのは、銀行などに多額の資産を預けて、そこから証券で貸し出すのです。それに対する収益やリース料を貰えるので、世界には、お金持ちが貸し出す証券が何種類もある。ヤクザとオイルマネーより

ヤクザとオイルマネー:猫組長の著書

資産を担保に発行する証券は、金融市場が成長していけば、儲かるため、どんどん発行される傾向にあります。そのため、金融機関には、高いモラルを要求されるのですが、そこは、常にうまくいきません。

資産担保証券(ABS:Asset Backed Securities)とは、商業用不動産担保ローンや住宅ローン、自動車ローン、リース、クレジットカードなどに関する貸付金銭債権などの資産を裏付けとして発行される証券の総称です。典型的なスキームとしては、ある企業が特定目的会社(SPC:Specific Purpose Company)に特定の資産を譲渡し、SPCがその資産を裏付けとして証券を発行する「証券化」の仕組みにおいて発行される証券です。わが国ではSPCの代わりに信託が用いられることが多く、現在ではほとんどのABSが信託受益権の形で発行されています。ABSのうち、社債や企業向け貸付債権などを裏付けとするものを債務担保証券(CDO:Collateralized Debt Obligation)といいます。CDOに分類されない自動車ローン債権、リース料債権、クレジットカード債権などの主にノンバンクが保有する金銭債権を裏付けとするものは、単にABS(狭義のABS)といいます。資産担保証券:ABS

この金を担保にしたSKRをはじめ、富裕層の資産は、どんどんペーパーマネー化されて、増えていくことになります。

猫組長が言うには、「ペーパーを入手する必要経費を超えた運用益を上げれば儲かる」というマネーゲーム。こうしたフェイクマネーは、タックスヘイブンに流れ込み、レバレッジをかけて、金融市場で暴れまわることになります。リーマン・ショック後に、貧富の差が拡大し、株価が上昇していっているのには、こうしたことも背景にあると思います。

金価格の上昇度も大きいため、SKRの額面も増えており、いずれ、金地金の現物を引き出そうとした時に、倉庫は空っぽという未来はあるかもしれません。

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