各国の金利が上昇しており、その分だけ、金価格は下がっています。スタンダード・チャータード銀行の貴金属アナリスト、スキ・クーパー氏(Suki Cooper,)は、現在の水準では金は売られすぎのように見えるが、短期的には、まだ価格が安くなる可能性があると述べています。
スタンダード・チャータード銀行:金価格は、1,700ドルが次のサポート
現在の金市場は弱気であり、強気を維持する投資家が少ないと語っています。
- 投資資金は、貴金属への投資を減らし始めている。
- 金を担保にした取引所取引商品(ETP)への投資はリスク
- 次のサポートレベルは1オンス1,700ドル
- 貴金属の信託保有総額は7ヶ月ぶりの低水準に落ち込んでいる
金ETF 「SPDRゴールドシェア」の現物保有高は、2020年11月の約1250トンから、2021年3月1日は、1084.50トンまで減少。これが、下げ止まれば、金価格の下げトレンドも転換する可能性あり。
米国債の利回り上昇。米国の財政刺激とインフレ率の高まりが、金価格の下げに影響を与えています。
●NY金価格の月足チャート GMOクリック証券のCFD 2021年3月2日
移動平均の20MAにちょうどかかるところ、このライン=1700ドル近辺を割り込むとさらに下値を追いかけるリスクがあります。ここは、上昇トレンドを維持するための正念場。高値が切り下がっているため、危ういところ。
当社のマクロ・ストラテジストは、米国の財政刺激策への期待とインフレ上昇への懸念の高まりにより、米国債利回りが上昇したことで、市場はFRBの最初の利上げへの期待を先送りしていると指摘しています。このような懸念は時期尚早と考えている。このような懸念から、2013年4月には金のエクスポージャーが急速に解消されました。ETPが注目すべきカギとなる」と同氏は述べています。1,700ドル:kitoco
ただし、クーパー氏は、短期的な投資家の弱気はあっても、ゴールドの長期的なファンダメンタルズは、維持されていると指摘。
長期的なファンダメンタルズは、金価格の上昇を維持
- 緩和的な金融政策
- インフレ期待の高まり
- 大規模な景気刺激策への期待
さらに、インドの金輸入が、2013年以来の好調なスタートだったことから、金の現物を巡るファンダメンタルズは改善しているとの話。
経済活動の稼働状況は99.3%(野村證券の推計、2月22日時点)と、概ね正常化したと考えられます。足元では、製造業及び非製造業の景況感の大幅な改善、乗用車販売の回復など、景気持ち直しの兆しが見られます。また、外資系製造業の誘致、投資拡大など、モディ首相の改革が進展しつつあることが、中長期的な潜在成長率の押し上げにつながることが期待されます。野村證券では、2021年の実質GDP成長率を前年比+12.8%とV字型に回復すると予想します。野村證券のインド市場
コロナワクチンの感染者は、ピーク時の9万人台から大幅に減少。
新規感染者数は約1.4万人(2021年2月24日時点、インド保健省)
野村証券は、2021年のインド経済が、V字回復すると予想。経済が回復していけば、結婚式などでのゴールド需要が回復し、金価格の下支え要因になるでしょう。
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