金価格にとって、上下どちらにも取れる材料となるバイデン政権による新型コロナウイルスへの経済対策が2021年3月10日、米下院で可決されました。
これにより、1兆9000億ドル(約200兆円)規模の経済対策が実行されることになります。
バイデン大統領による署名は、3月12日の見込み。
1.9兆ドルのバイデンバズーカがついに発動
これが実行されれば、現金給付されることから、株価の上昇は期待されています。そして、景気回復につながるため、金価格は、微妙なところ。
金価格とバイデンバズーカの関係
- 景気回復や金利上昇は、下落要因
- 財政拡大や悪い金利上昇は、上昇要因
少し落ち着いた長期金利ですが、1.5%程度で落ち着くとは考えにくいとの意見も。金投資の専門家。豊島逸夫氏は、1.7~1.8%程度が目標と語ります。
ヘッジファンドなど投機筋の米国債空売り意欲は依然根強い。特に数週間以内に対コロナ個人給付金一人1400ドルの小切手がいよいよ国民に行き渡る。消費の高まりは必至だ。更にバイデン政権第二次財政出動もこれから議論される。インフラ・クリーンエネルギー関連の「大型景気刺激策」は、1.9兆ドル規模の「コロナ救済策」とは別枠で実行される見込みだ。今のNY市場で長期金利が1.5%程度に落ち着くと考える市場参加者は極めて少ないと言える。まずは次の目途として1.7%から1.8%の数字が挙げられる。NY金、30ドル急反騰
FRBのインフレ目標2.0%からも、この辺りは、許容範囲かもしれません。もちろん、インフレ率と金利は、イコールではありませんけどね。
しかし、10年債利回りが、2%を超える場合、政府は、利払いにかかる費用も増えるため、それに耐えられないと考えられています。その場合、FRBが、金利を押さえつけることになるでしょう。
Murenbeeld&Coの調査責任者であるChantelle Schieven氏は、実質金利がこれ以上上昇しないことが明らかになったため、金が新たな投資家の関心を引き付けることを期待していると述べた。スキーヴェン氏は、現在1.9兆ドルも跳ね上がる債務水準が高まっているため、政府は10年債の利回りを2%をはるかに超える水準に引き上げる余裕はないと述べた。金価格の動向
バイデン政権とパウエルFRB議長は、株価維持と債務拡大を両立させるために、インフレを選択する可能性が高いと思います。そして、金価格のファンダメンタルズは、ジレンマの中で、中長期的には強くなると思います。
米10年債が1.6%超えてもダウは最高値を更新。バイデンさんの経済対策が強烈すぎてマーケットがあまり冷えません。一方で金や原油は結構売られていて明暗は分かれています。米長期金利上昇を背景に色んなものが動いている印象。今夜の米3年債入札も普段ならスルーですが今回は材料になるかもしれません
— 井口 喜雄 (@yoshi_igu) March 9, 2021
米国の若者は配布された現金の半分で株を買うとのこと。まじめに投資すればいいけど超割高なミーム株でギャンブルしたいのがほとんどでしょう。残念です。機関が個人に売って逃げるのに最適な環境。 https://t.co/E9QrX9FlGG
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) March 9, 2021
コラム:米追加経済対策が成立目前、インフラ整備実現に道 https://t.co/xV8d3kYJq0
— ロイター (@ReutersJapan) March 9, 2021
アメリカはONEWAY(小切手を送るだけ)なので素早い、銀行口座も不要」
米追加経済対策法案に盛り込まれている国民への1400ドルの直接給付について、税務の専門家らは、法案が成立し次第、速やかに実施されるという見通しを示した。
— 野村雅道 (@nomurafx) March 9, 2021
🇺🇸米株「景気敏感株 買い」
①米追加経済対策 今週中に成立の見通し
②ワクチン普及⇒景気回復期待で長期金利上昇
金利上昇はグロース株に逆風でもあり、
これまで大きく上げたグロース株売り
景気敏感株買い昨日3/8(月)東京市場でも
TOPIX
バリュー株 +0.64 %
グロース株 -0.94 % pic.twitter.com/C6Nyo1W6fE— にこそく (@nicosokufx) March 8, 2021
株価には、材料出尽くしの可能性あり。一方、コモディティや物価においては、これからマネーが流れ込むのでは、ないでしょうか。
一方で株式市場には格好の下落材料がある。バイデン政権の1.9兆ドルのインフラ投資が議会を通ってしまったことである。株式市場にとってプラスになる景気刺激が議会を通って何が悪いのかと思うかもしれないが、金融市場にとって材料出尽くしは株価下落の原因となる。「噂で買って事実で売る」である。株式市場は1.9兆ドルのインフラ投資を消化してしまったので、当分大きな上げ材料がない。米国株はこれまで金利低下と財政出動を頼りに上がってきた。少なくとも言えるのは、1.9兆ドルは株式市場にとっては既に過去のものだが、物価にとってはこれから注ぎ込まれる資金だということである。グローバルマクロ
【速報】下院可決
・1.9兆㌦ 米コロナ対策
・大統領署名で成立へ
・家計支援が軸
→ 現金給付・失業保険など計1兆㌦規模
・消費中心に景気急回復の期待
・下記グラフ:GS(強気派)が今週更新したGDP見通し
・4-6月は年率11%の成長予想
・水準もコロナ前回復
・4Qに18-19年トレンド線を突破 pic.twitter.com/eA5Zdjwbp1— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) March 10, 2021
高すぎて買えない銅相場。株式・金価格含め乱高下が心配な相場です。
銅相場は、現物と3カ月先物のバックワーデーションが、2月のピークの65ドルから20ドルまで緩んでいるので、少し注意が必要です。それでもまだ在庫が少なく、強気相場ですが。上海の在庫が増え続けているので、これが減らないと上がらないですね。中国からの情報だと、高すぎて買えないとのことです。
— Tetsu Emori (@tetsu_emori) March 9, 2021
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