FRBのパウエル議長は、2021年3月23日に行われた国際決済銀行(BIS)の講演会で、暗号資産(ビットコイン)の価格変動が激しすぎ、通貨として使いにくいと発言。本質的に、米ドルの代替ではなく、金(ゴールド)の代わりとなる資産だとのこと。
金が投機的資産かどうかは、置いておくにしても、ビットコインの価格変動の激しさから、価値貯蔵しにくいのは、現在のところ正しい意見です。数ヶ月で、二倍にも三倍にも上昇する。逆に言えば、下落する資産を通貨にすれば、あぶなっかしくて仕方ありません。
暗号資産は、ゴールドの代替と語るパウエルFRB議長
また、ここでは、中央銀行が、グローバルな中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発を急がないことがメインテーマであり、米ドルなどに変わる新通貨の早急な登場を否定しています。
彼は、米国の中央銀行が現在CBDCのアイデアを調査し、実験していると付け加えました。しかし、彼はまた、デジタル通貨に対する公的または政府の十分な支援があるかどうかわからないと述べた。パウエルはまた、連邦準備制度が中央銀行のデジタル通貨を開発する際に対処する必要のあるいくつかのリスクについて説明しました。これには、サイバーセキュリティや金融の安定性が含まれます。「中央銀行と民間銀行、民間銀行と国民の間の二層システムを不安定化させたくない」と彼は述べた。暗号資産は、米ドルではなく金の代わり
やはり、FRB議長としては、リスクが気になるようです。デジタル通貨の導入にあたり、解決しなければ行けないことはまだまだたくさん。
- サイバーアタックによる改ざんや盗難
- マネーロンダリング
- 金融安定性
- マイニングにともなる電力量増加
いずれ、デジタルな通貨が流通の過半を担うことになるのは確かだと思います。その時、政府や公的機関は、すべてのお金の流れを管理できるようになります。
それに対抗する手段として、ゴールドや暗号資産が生き残るのではないでしょうか。パウエルFRB議長は、そういった意味を込めて、暗号資産は、金の代替だと話しているのでしょう。
一方、CoinPaymentsのCEOであるジェイソンブッチャー氏は、パウエル議長の意見を時代遅れだと一蹴。
世界最大の暗号支払いプロセッサCoinPaymentsからの最近の内部レポートによると、2019年の第1四半期から2020年の第4四半期にかけて、北米の暗号通貨市場では、より多くの企業や商人がデジタル通貨を採用するにつれて、トランザクションが300%増加しました。「暗号通貨に関するパウエルのコメントは時代遅れです」と、世界最大の暗号支払いプロセッサであるCoinPaymentsのCEOであるジェイソンブッチャーはKitcoNewsへの声明の中で述べています。「何百万人もの人々が必需品を購入するための支払い方法としてデジタル通貨を使用しており、これは成長するだけです。規制は世界的に変化しており、支払い、投資、価値の交換の方法として暗号をサポートしています。」
それぞれの立場の違いを反映していますね!
金価格及び暗号資産の高騰は、既存通貨の価値が下がっていることを示しています。テスラをはじめ、ビットコインを購入する企業も出てきており、今後の動きが楽しみです。
そして、マイニングに使用する電力量も、暗号資産のデメリットに登場するようになりました。
◆パウエル発言1/2
パウエルFRB議長は22日、BISの暗号資産イベントに参加しました。主な発言は下記の通りです。・ビットコインなど暗号資産は価値貯蔵手段として使いづらく、投機のための資産だ
・価格変動が非常に激しく、マイニングに要する膨大なエネルギーも理解せねばならない(続)— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) March 22, 2021
パウエルFRB議長=デジタル通貨は投機的資産、本質的にはドルではなく金の代替
.It is a speculative asset that is essentially a substitute for gold rather than for the dollar.
— 小菅 努 (@kosuge_tsutomu) March 22, 2021
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