ゴールドマン・サックスは、金価格の目標値を2,000ドルに引き上げました。
新型コロナウイルス以後、金融緩和による通貨安を要因として、金の価値は、大幅に上昇。大手投資銀行のゴールドマン・サックスは、米ドルの緩やかな減価とともに、金価格の上昇を予想しています。
ゴールドマン・サックスが、1オンス2,000ドルの金価格を予想
◆米長期金利(10年債)とNY金の動き。GMOクリック証券
NY金価格は、金融緩和による実質金利低下の影響で、1800ドルまで上昇。ゴールドマン・サックスは、ここから、2,000ドルまでの上昇を予想しています。
詳しくは、Dave Kranzler of Investment Researchのレポート動画をご確認ください。
ただ、ゴールドマン・サックスの2,000ドル予想は、目新しいものではなく、バンク・オブ・アメリカが、3,000ドルの予想を出すなど、コロナ後の金は、強気一辺倒。
米国から欧州へと資産がシフトする可能性
ゴールドマン・サックスの考えている点で、重視したいのは、欧州の復活。サブプライムローン危機以降、欧州の政治・経済は、ぱっとしません。ソブリン危機や難民問題と多くの山場に見舞われてきました。その流れが変わりつつあるというのが、彼らの主張。
ゴールドマン・サックスは、米国と欧州の見通しについて。これまでの考えを変えつつある様子。
新型コロナウイルスによる危機で、欧州の医療インフラ・企業と雇用者の関係など欧州のポジティブな要素が明らかになり、米国に対してのネガティブな部分が明らかになり、米国の高パフォーマンスが続くとは思えないとの予想。
2008/09年の景気後退後に持続していたユーロの低パフォーマンスが終焉を迎える可能性もある。そうなれば、市場が提案されている 7,500 億ユーロの復興基金に注目する中で、政治的結束力の強化が重要な要素となるだろう。欧州と米国の逆転
●米ドル安へと流れが変化する可能性
今後、一年間は、投資家が、よりバランスの取れたポートフォリオを組むと考えており、長年、続いていた米ドルのオーバーウェイトが縮小、ユーロ圏を含む他の市場への流入が起きると予想
2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | |
ユーロ/米ドル | 1.27 | 1.28 | 1.30 |
米ドル/円 | 104 | 102 | 101 |
もし、ゴールドマン・サックスの予想通り、投資家達が、米国から欧州をはじめとした他の主要国に資産を移し始めるとしたら、大きな変化がこれから生じます。
◆米ドル/円とユーロドルの月足チャート:2020年7月15日 GMOクリック証券
米ドル/円は、107円、ユーロ/ドルは、1.14ですから、予想通りに動けば、そこそこの変動になりますね。そして、ユーロに関しては、3月の底値から上昇しています。
米ドル崩壊はあるのか
ゴールドマン・サックスは、世界の大企業が米国に進出していることや米国の回復力に期待しており、米ドルの崩壊や暴落までは考えていないとしています。
この記事へのコメントはありません。