新型ワクチンの影響で、リスクを警戒した金の投資需要が減りつつある様子。ファイザー・モデルナのCOVID-19ワクチンは、有効性が高い状態でリリースされそうです。こうなると、2021年のコロナからの回復が現実となることから、金は押し戻されそうです。
目先、金価格の強気材料が多いにも関わらず、金価格は上昇せず、少し、弱気モードに切り替わったと考える方が良いと思います。
2020年12月の金価格材料
- コロナ感染が拡大傾向
- 米大統領選挙の混乱
- 米国の景気支援策が進まない
- FRBの量的緩和策拡大
- 米ドル安
欧米でのコロナ感染拡大は、リスクを高める要因であるものの、ワクチン開発の進展もあって株高・ドル安・金安的な動き。長期金利も上昇しつつあり、金の売り圧力も強くなるかもしれません。
また、2021年後半、インフレ圧力が強まれば、FRBの金融政策引き締めの話題が登場するでしょう。これは、金の大幅な下落圧力です。
ファイザーのワクチンで流れが変わる
潮目が変わったのは、2020年11月9日、ファイザーのワクチンに関するニュース。これに反応して、株価と原油は上昇し、金銀は下落しました。
金銀の月足チャートの形も弱気に転じたため、2020年11月・12月は、金銀で売りが増える可能性があります。
●NY金スポット月足チャート GMOクリック証券のCFD 2020年11月19日
調整しつつある金価格。1860ドル、1727ドルなどに下落するリスクに注意したいところ。上ヒゲが長くなっており、ローソク足的には、弱気を示しています。
一方、米国のマネタリーベース・FRBのバランスシートは増加しており、新型コロナウイルスへの景気刺激のため、量的緩和が拡大されれば、金価格は、上昇へと向かうでしょう。米国の債務増加に伴い、ゴールドが、3650ドルや2500ドルに達すると言う強気予想を出している専門家もたくさんいます。
早ければ1年後に3,650ドルになるとは思いません。それにもかかわらず、金は2021年末までに2,500ドルに達する可能性があり、これは1970年代初頭から約6,800%の割合の増加を示しています。これは、同じ時間枠でのマネタリーベースの拡大で見込まれる10,000%よりもかなり少ないです。金銀のポートフォリォ
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